麻生馬を”解散河”に連れ出して、その水を飲ませたい・・・党首討論に応じた民主党の小沢代表の狙いには、「水を飲む気はない」という麻生馬の拒絶で稔らなかった。「だからと言って、このまま引っ込む小沢氏ではあるまい。年内解散を迫る次の一手を考えるであろう」と言った。
その”次の一手”は与野党が参加した選挙管理内閣の提案だった。12月になったその日に熊谷市で記者団に新構想をぶち上げている。
福田内閣当時に福田・小沢党首会談でトップ同士では合意したといわれる”大連立”構想の焼き直しともいえる”全党参加の超大連立”。今度は選挙管理内閣を作るための大連立という装いでお目見えした。
麻生首相はすでに来春の予算成立以降への解散先送りを示唆している。細田幹事長に至っては「解散の時期は来年の春から秋」と小沢代表の気持ちを逆撫する発言を行った。小沢氏の超大連立構想に応じる気配はない。
倒閣に執念をみせる小沢氏は、師走に入ってさらに早期解散論の火の手をあげようとしている。だが解散権を握る麻生首相は、低迷する支持率は何のその、小沢王国の岩手県まで出掛けて、東奔西走の遊説パフォマンスを演じている。
超大連立構想のカードを切った小沢提案だが、果たして民主党以外の野党が乗るだろうか。自民党内でも反麻生グループも蠢動を始めている。この辺を見定めた小沢提案なのだろうが、師走の大騒動になるのか、どうか。
<民主党の小沢代表は1日、麻生首相の早期退陣を視野に入れ、与野党各党に選挙管理内閣への参加を呼びかける意向を固めた。衆院の即時解散を目的とする暫定内閣をつくり、新政権発足まで危機管理など最小限の国政運営にあたる構想だ。今後の政治情勢を見極め、党首会談などで各党に提案する方向で検討している。
報道各社の世論調査で麻生内閣支持率が急落しており、民主党は「麻生政権はもたない」との見方を強めている。首相を早期退陣に追い込む際に「総選挙を経ない4人目の自民党首相は憲政の常道に反する」と訴え、さらなる揺さぶりをかける狙いがある。
小沢氏は1日、埼玉県熊谷市で記者団に「麻生内閣はこんな調子でいつまでもつか。麻生内閣が退陣になれば、また頭だけ代えて自公がたらい回しで政権を取るということはありえない」と指摘。「次の内閣は選挙をすることが仕事になる。選挙管理内閣で総選挙ということであれば各党もみんな意見が一致する」と首相退陣後に言及した。
構想によれば、首相退陣直後に与野党が「解散による混迷打開」でコンセンサスを作り、即時解散する。小沢氏は最近の党幹部との会合で「麻生政権では1月の通常国会はもたない。いかに選挙内閣をつくるかが大事だ。全党入れた内閣というのもある。超大連立だ」と語ったという。
麻生首相は来春の予算成立以降への解散先送りを示唆しているが、小沢氏は倒閣姿勢を強め、年末にかけて引き続き早期解散を最優先で求め続ける構えだ。政権の失速ぶりを見極めながら構想提案のカードを切り、首相退陣に追い込んだ後の受け皿づくりに先手を打ちたい考えだ。
ただ、与党が構想に乗る見通しはなく、他の野党の協力が得られるかどうかもはっきりしない。早期解散をめぐる世論や政治情勢を見極めつつ、内閣が信任を失った場合には野党第1党が政権を担当するべきだという「憲政の常道」論を盾に共感を広げながら提案の時機を探る考えだ。(朝日)>
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2540 再びカードを切った超大連立構想 古沢襄

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