2555 パキスタン軍情報機関の関与 古沢襄

アメリカのCNNはインドのムンバイ同時テロ事件で、パキスタンの軍情報機関が加担した証拠をインド当局が握っていると報じた。この可能性が十分にあるのだが、パキスタン側の一方的な攻撃だったと断定してしまうのは、どうなのだろうか。
インド側はパキスタンの一方的な攻撃と主張したいのだろう。しかしインド国内におけるイスラム教徒はカースト制度の名残の下で悲惨な生活を送っている。インド国内の若いイスラム教徒がパキスタンに逃れ、そこでテロリストの訓練を受けている構図が浮かびあがっている。
自国のイスラム教徒に対する政策転換をせずにパキスタンの軍情報機関の関与だけを主張するのは、根本的な解決にならない。むしろインド、パキスタン両国の対立を激化させるだけではないか。
他国のことは客観的にみれるのだが、日本と北朝鮮のこととなると、拉致が解決するまで制裁をエスカレートさせるという論法にはまってしまう。インドに冷静な対応を求めるのは無理な相談なのかもしれない。
<パキスタン軍情報機関の関与の証拠握ると、ムンバイ同時テロ
(CNN) インド西部ムンバイで11月26日起きた同時多発テロで、ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)など地元紙は5日、事件にパキスタンの軍情報機関、統合情報局(ISI)が加担した証拠をインド当局が握っていると報じた。消息筋の情報を引用している。
テロ実行犯10人を訓練したISI工作員の名前を把握していると共に、パキスタンに拠点があるイスラム過激派「ラシュカレトイバ」が使用しているインターネットのアドレスの詳細も入手しているという。訓練場所も突き止めたとしている。
ISIは以前、インドをかく乱するためラシュカレトイバを使用したとの指摘もある。ムンバイで2006年7月に起きた列車爆破テロは、ラシュカレトイバが首謀したとインド側は主張している。
今回のテロでインド政府はパキスタンの勢力が事件に関与していると主張、パキスタン政府は否定的な姿勢を示している。
ヒンドゥスタン・タイムズによると、米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長はパキスタンで3日、同国首脳と会談した際、ラシュカレトイバの指導者を逮捕し、組織の活動を終わらせる必要性を指摘した。今回のテロについて消息筋は、米国はインドより詳細な情報を握っているとも述べたとしている。
また、ムンバイのテロは、パキスタン軍部による同国文民政府への「独立宣言」にも等しいともしている。(CNN)>
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