2573 気落ちするヒル国務次官補 古沢襄

北京での六カ国協議とは何であったろうか?北朝鮮にいい様に振り回され、議長国の中国をよそに米朝直接協議まで行われた。その揚げ句、テロ支援国指定解除を代償なしにタダ取りされたことになる。
米首席代表のヒル国務次官補は気落ちして北京を離れたが、外交失敗の最大の責任はヒル氏の甘い判断にあったといえる。米国防総省内にも際限のない妥協を繰り返すヒル氏に対する批判がくすぶっていた。
一説には民主党政権になってもヒル氏は対北朝鮮交渉の責任者になることを狙っているとさえ言われた。しかしヒラリー・クリントン国務長官がヒル氏を継続して使うかどうか?
さらにはヒル氏に批判的だったゲイツ国防長官がオバマ政権で継続して、そのポストにとどまる。日本の外務省もヒル氏にはあまり好感を持っていない。
北朝鮮がブッシュ政権下での交渉に見切りをつけたという米情報が八月に流れた。その後の推移を見れば、この情報は正確であった。また米保守派からは北朝鮮との交渉で安易な妥協に走り過ぎるブッシュ・ライス外交に批判が出ていた。
イラク戦争で決定的な挫折を味わったブッシュ政権が、せめて北朝鮮との和解で外交得点をあげようとしたが、結局はこれも稔らなかったことになる。
<核計画申告の検証方法で合意出来ず、北朝鮮核の6者協議
北京――北朝鮮核問題をめぐる6者協議の首席代表会合は11日、今回会合の最大焦点となっていた北朝鮮による核計画申告の検証方法の文書化で核施設でのサンプル(試料)採取の明記などで合意出来ず、終了した。
AP通信によると、米首席代表のヒル国務次官補は北京を離れる前、他の参加国が支持した文書化の表現で北朝鮮が同意しなかったと協議が失敗したことを認めた。次回会合の日程でも合意していないと述べた。議長国の中国は近い将来の再招集で合意したと述べたとの情報もある。
文書化では、核兵器転用の解明を進める上で欠かせない試料採取などの明記が争点となっていたが、北朝鮮が最後まで反対したとみられる。米国は10月の米朝直接協議で、北朝鮮が試料採取に口頭で合意したと説明、日韓が文書化を求めていた。
今回協議は8日から3日間の日程で始まったが、試料採取などで歩み寄りが出来ず、話し合いを1日延長していた。中国が各参加国の主張をまとめて文書化草案を提示したが、妥協出来なかった。北朝鮮は、検証方法で、寧辺にある核関連施設訪問、文書の分析や技術者への聞き取りが許容出来る範囲と主張したとされる。(CNN)>
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