2582 中国「08憲章」の衝撃 平井修一

中共が国際社会から敬意を受ける国になるかどうか、あるいは「異形の大国」のまま嫌われ続けるのか、世紀の正念場を迎えている。「一党独裁体制終了求め署名 中国、弁護士ら300人以上が民主化要求」
2008.12.10の産経の記事はなにごとかを予測させ、ことによれば「回天」を招来するかもしれない。
<【北京=野口東秀】中国の学者や弁護士、新聞記者ら303人が、人権の保障や民主化、共産党の一党独裁体制の終結を求めて署名した「08憲章」と題する声明が10日、インターネット上で発表された。
世界人権宣言採択から60周年に合わせたもので、大半が実名で一党独裁を批判するのは異例だ。当局は“仕掛け人”とみられる著名な反体制作家、劉暁波氏(53)を拘束したもようで、今後、署名者ら体制批判者への締め付けを一層強化するとみられる。云々>
コキントウ、オンカホウが「中共の延命治療をした愚かな幹部」として名を残すのか、それとも「改革開放路線をさらに進め、中国の民主化、近代化に大きく舵を切った幹部」としてノーベル平和賞候補になるか。岐路である。
「08憲章」は中国の目指す体制を「中華連邦共和国」とした。各省の高度な自治を認めつつ連合体(帝国)を形成し、連邦政府は専ら外交・軍事を担当するといったロシア的な体制になるのかもしれない。
それでも共産党は最大与党の地位を当分は維持するだろう。国民も国際社会も中国の急激な変化は望まないからだ。ゆるやかな民主化、近代化で十分である。
支那は過去に「普通の国」になるチャンスが2回あった。最初は清朝から政権の委譲を受けた孫文の辛亥革命(1911年)の時。2回目は汪兆銘の南京国民政府の樹立(1940年)の時。
共産主義者やアメリカの妨害でいずれも失敗したが、「08憲章」は3度目の正直になるのではないか。日本は「08憲章」支持者の活動を支え、聖域を提供すべきである。麻生さん、「自由と繁栄の弧」を実現しよう。
中国の一党独裁変更を求めた「08憲章」の主な内容(2008.12.13 20:22産経ニュース)
◇憲法の改正
憲法をいかなる個人、政党(共産党)も超越してはならない国の最高法律とし、中国の民主化の法的基礎を築く。
◇権力の分散
立法、司法、行政の三権を分立させ、政府の責任を明確にし、行政権の膨張を防止する。中央と地方の権力を分離し、地方に十分な自治権を与える。
◇司法の独立
司法の独立を保証し、公安、検察、裁判をつかさどる共産党の政法委員会を廃止する。
◇軍の国家化
軍は国と憲法に忠誠を尽くすべきであり、軍内部にある政党(共産党)の組織は撤退する。
◇人権の保障
立法機関に人権委員会を設置して人権侵害を監視し、法律に基づかない逮捕、拘束をなくし、労働矯正制度を廃止する。
◇都市と農村の平等
都市部と農村部の不平等な戸籍制度を廃止し、国民の平等の権利と移住の自由を保障する。
◇言論の自由
新聞発行の自由を認める。刑法の中の「政権転覆扇動罪」を廃止する。
◇宗教の自由
政府が宗教活動を干渉しない。宗教団体成立の際の許可制を届け出制にする。
◇財産の保護
私有財産を保護し、土地の私有化を推進する。
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