2599 中国の外洋海軍化に注目 古沢襄

フランスのAFP通信社が北京から中国海軍のソマリア沖に艦隊を派遣することについて詳しく報道している。杜父魚ブログで既報のように駆逐艦二隻と補給艦の三隻を海南島の海軍基地から派遣の準備に入ったとしている。
これが実施されれば、これまで沿岸警備の域にとどまっていた中国海軍が、初めて外洋海軍としての実力を示すチャンスとなる。これまでは外洋海軍化が伝えられながら、部分的にしか窺えなかった中国艦隊が、規模は三隻とはいえ世界各国の前に秘密のヴェールを脱ぐことになる。
かねてから中国海軍の急速な強化策が各国の軍事筋では注目の的であった。英国の国際戦略研究所IISS(The International Institute for Strategic Studies)の報告書によると、中国海軍は完全に外洋海軍に変貌しており、SS-N-22対艦ミサイルを備えるソブリン級ミサイル駆逐艦も配備した。
その概要は74の主要な戦闘部隊、57隻の攻撃型潜水艦、55隻の中級・重級艦船、49機の沿岸ミサイル哨戒機を含んでいる。これと平行して海南島の三亜に巨大な海軍基地が建設された。その規模は核弾頭の大陸間弾道ミサイル搭載の潜水艦が二十隻、同時寄港が可能で、空母の基地としても使用可能である。
アジアにおいては日本の海上自衛隊が六隻のイージス駆逐艦を擁して圧倒的な海軍力を持っていたが、毎年フタケタの増加予算を注ぎ込んでいる中国海軍が急速に差を縮めてきている。中国のミサイル駆逐艦は日中防衛交流のため東京・晴海ふ頭に入港したことがあるが、最新鋭艦はまだお目見えしていない。
AFPによれば中国外務省の劉建超報道局長は「シーレーンを防衛するために軍艦を派遣する」ことを明確にしている。ソマリア周辺海域を通る船は、日本のタンカーや商船の方が多い筈である。シーレーン防衛を中国にお任せして、日本は高見の見物をするつもりなのだろうか。
<(12月19日 AFP)中国外務省の劉建超(Liu Jianchao)報道局長は18日、ソマリア周辺海域の海賊対策のため、艦隊を派遣する準備を行っていると報道陣に明らかにした。
劉氏は「アデン湾(Gulf of Aden)周辺海域のシーレーンを防衛するために、わが国の軍艦を派遣をする準備と手続きを進めている。時機をみて正式発表するだろう」と述べた。
国営環球時報(Global Times)が引用した海事当局高官の談話によると、アデン湾周辺の海賊に対する国際的な取り締まりに協力し、中国は駆逐艦2隻、補給艦1隻を派遣する計画で、艦隊は中国南部の海南(Hainan)島から12月25日に出港し、ソマリア沖で3か月の任務に就くという。
アデン湾では17日、中国の貨物船1隻が海賊に拉致されかけたが、国際海事局(International Maritime Bureau、IMB)が組織する連合軍の支援を得て撃退する一幕があった。
劉報道官によると、今年1月から11月までの間に、中国人乗組員が乗船中あるいは、中国からの輸出品を運送中だった中国の海運企業所有の船舶7隻がアデン湾で海賊の襲撃を受けたという。
政府系シンクタンク中国国際問題研究所(China Institute of International Studies、CIIS)の研究員、Shen Shishun氏によると、中国領海外で中国海軍が任務を遂行するのは近代史上初となる。(AFP)>
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