韓国の朝鮮日報が中国海軍のソマリア沖派遣について北京から詳しいレポートを送ってきている。日本のメデイアはインド洋に自衛艦を派遣したことで、ソマリア沖にまでは手は回りかねるということなのだろうか、あまり詳しく伝えようとしていない。
民主党政権になればインド洋派遣についても撤退命令が出ると予想しているのかもしれない。よけいソマリア沖について無関心になる。まさに鎖国的思考と言わねばならない。
インド洋にしてもソマリア沖にしても日本のタンカーや商船が往き来する海域である。シーレーンの安全を確保するために世界の各国と歩調を合わせて、日本も汗をかく国際的な視野が必要ではないか。
完全に劣化した国会議員にそれを言っても空しい気持ちがあるが、メデイアまで鎖国的思考にとらわれていては、この国の将来は危うい。
<中国がアフリカのソマリア海域に軍艦を派遣する方針を固めた。この地域に出没する海賊の取り締まりと自国船員の保護が目的だ。今年に入りソマリア海域を通過した中国船舶1265隻のうち20%が海賊による襲撃を受け、中国船舶2隻、中国人船員が乗った外国籍の船舶5隻が拉致された。しかし、軍艦派遣方針は、空母建造を進め、勢力を蓄えてきた中国軍が海外進出を本格化させる兆しではないかとの見方もある。
◆中国人船員、1カ月も抑留中
中国外務省の劉建超報道局長は18日、ソマリア海域への軍艦派遣を準備しているとした上で、「具体的な計画は数日後に発表する」と述べた。人民日報の姉妹紙の環球時報によると、派遣艦隊は駆逐艦2隻、大型補給艦1隻で構成され、クリスマス以降に派遣される可能性が高いという。
中国の軍艦派遣は一義的には自国船舶を保護するための措置だ。先月14日に拉致された漁船「天裕8号」の船員18人は今も抑留されたままだ。国連安全保障理事会が海賊掃討作戦の参加国に対し、海上だけでなく陸上での作戦を認めた翌日の今月17日にも、船員30人余りが乗った「振華4号」が襲撃を受け、5時間かけて撃退する出来事があった。このため、軍艦派遣を支持する国内世論が高まっていた。
◆ソマリア海域に展開する各国海軍
しかし、今回の軍艦派遣には、国際舞台での発言力を高めようとする中国政府の意図が込められているとの見方もある。中国国防大学戦略研究所の全一南所長は「国際社会で中国の地位を高める政治的な意味がある」と分析した。中国の軍艦によるソマリア海域進出は、約600年前にアフリカ東方まで進出した鄭和(1371-1433)の艦隊以降初めて、軍事作戦目的で派遣されるという意味もある。
空母建造と原子力潜水艦開発を急ぎ、遠洋作戦能力を高めてきた中国海軍にとっては、今回の軍艦派遣が実戦経験を積む機会になる。中国は昨年以降、近海で7回にわたり外国との海上合同演習を実施してきたが、太平洋の外に進出したことはない。中国の軍事専門家は「中国軍は軍事大国化を懸念する西側のけん制でソマリア派兵をためらっていたが、今回の国連決議で障害がなくなった」と分析した。
ソマリア海域は世界各国が海軍力を競う場と化しつつある。米国は駆逐艦ハワードと複数の巡洋艦を派遣している。ドイツやフランスなど北大西洋条約機構(NATO)加盟8カ国とロシアも軍艦を派遣した。インドも最近、軍艦派遣を決定した。(朝鮮日報)>
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