2625 ようやくのソマリア沖派遣 古沢襄

”与党の合意を取り付けた上で1月中に決定し、2月中にも日本船舶の護衛を始める”・・・気の長い話だが、これが日本の現状。ソマリア沖の海賊被害に対して自衛艦を派遣する話のことである。動きの鈍かった政治もメデイアも年末ギリギリで動き出した。
すでに米国やEUの艦船がソマリア沖で各国の民間船舶の護衛行動をしている。きょう26日には中国の艦隊がソマリア沖に向けて出港した。世界の海軍がソマリア沖で協調行動をとっている。
国連安全保障理事会は国連憲章の第七章により、ソマリア領海で海賊を取り締まる権限を各国に授ける決議を行った。ソマリア臨時政府も、この領海で海賊を取り締まるように各国に呼びかけている。領海侵犯の懸念はない。
アデン湾やソマリア海域の海賊問題は日増しに顕著になり、中国を含めた世界各国の船舶や乗組員の安全に深刻な影響を及ぼしている。国際組織やソマリア政府による物質輸送も脅威にさらされ、世界にとっても害悪である・・・これが即刻、艦隊派遣を決定した中国国防部の声明である。
11月14日には、日本人船員を含む24人が乗った中国のマグロ漁船が乗っ取られ、現実に日本人が巻き込まれる事件も発生している。来年の2月まで同じ被害が出ないと言い切れるのだろうか。
それでも国内政争にかまけて、何もしないでいるよりは、遅蒔きながらの決断は一歩前進でよしとせねばなるまい。
<麻生太郎首相は25日夜、ソマリア沖の海賊被害対策として自衛隊法に基づく海上警備行動を発令して海上自衛隊艦船を派遣する意向を明らかにした。与党の合意を取り付けた上で1月中に決定し、2月中にも日本船舶の護衛を始める方針。海上警備行動による初の自衛隊海外派遣となる。首相は官邸で記者団に「取り急ぎということであれば海上警備行動で対応する」と述べた。防衛省は近く現地調査団を出す方向だ。(共同)>
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