北朝鮮の軍事部門では変化が認められないが、経済部門で二つの需要ポストでトップ人事の異動が行われた。このポストは金属工業相と電力工業相、金属工業相に任命された金泰奉(キム・テボン)氏と、電力工業相に任命された許沢(ホ・テク)氏の経歴などは不明だという。
また党、軍、政府などを統轄する労働党組織指導部(金正日総書記が部長)の第一副部長にキム・ギョンオク氏が任命された。”第一”だから金正日総書記に次ぐナンバー・ツウーかと思えば、そうではない。
組織指導部の副部長は四人いる。第一副部長は地方党組織を統括する業務を担当するが、これまでは空席だったという。これ以外に党中央、公安、軍事担当の副部長がいる。実務担当者の副部長ということではないか。
この人事情報は韓国の情報当局が把握したもので、朝鮮日報が伝えている。
その情報機関関係者は「金総書記の後継体制移行が順調に進むためには経済が再生しなければならず、党組織を把握しなければならない。今年は北朝鮮の権力構造に目に見える変化が生じる可能性がある」と指摘している。それを示す人事異動とみるべきであろう。
<北朝鮮が最近、閣僚2人を交代させたほか、朝鮮労働党の要職で昇格人事を行っていたことが2日、確認された。
北朝鮮の公式メディアによれば、金属工業相が金昇賢(キム・スンヒョン)氏から金泰奉(キム・テボン)氏に、電力工業相が朴南七(パク・ナムチル)氏から許沢(ホ・テク)氏がそれぞれ交代していたことが分かった。また、党、軍、政府を統括し、金正日(キム・ジョンイル)総書記が部長を努める労働党組織指導部の第1副部長としてキム・ギョンオク氏という名前がはじめて伝えられた。北朝鮮は通常、内閣改造をその都度発表しないため、韓国情報当局は北朝鮮メディアの報道を通じ、人事異動を部分的に把握している。
経済分野で閣僚2人が交代した背景をめぐっては、金総書記が新年の共同社説で「経済再生」「党の役割」を強調したことと関連があるとの分析が出ている。社説は「金属工業は社会主義自立経済の柱」「電力、石炭、鉄道部門で革新を起こし、人民経済を発展させなければならない」と指摘していた。情報当局者は「金属工業相と電力工業相の交代は金総書記の北朝鮮式経済再生推進と関係があるようだ。ただ、新任閣僚の経歴などについてはほとんど知られていない」と述べた。
組織指導部第1副部長に就任したキム・ギョンオク氏は、地方党組織を統括する業務を担当するという。組織指導部には四つの部署があり、党中央は李済剛(リ・ジェガン)、公安は張成沢(チャン・ソンテク)、軍事は李容哲(リ・ヨンチョル)の各氏がそれぞれ担当するとみられる。キム・ギョンテク氏が就任する地方党組織担当はこれまで空席だった。このうち、李済剛氏は金総書記の次男正哲(ジョンチョル)氏と、張成沢氏は金総書記の長男正男(ジョンナム)氏とそれぞれ近いとされる。
情報機関関係者は「金総書記の後継体制移行が順調に進むためには経済が再生しなければならず、党組織を把握しなければならない。今年は北朝鮮の権力構造に目に見える変化が生じる可能性がある」と指摘した。
統一研究院の研究員は「北朝鮮は金総書記の健康異常以降、権威低下が生じるのを防ぐために今後もさまざまな措置を講じるのではないか」と分析した。(朝鮮日報)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
2663 今年は北朝鮮の権力構造に変化が生まれる 古沢襄

コメント