2724 麻生・小沢両氏の年頭記者会見の違い 丸山公紀

1月4日、麻生首相と小沢民主代表の年頭記者会見の模様をテレビで見たが、両者明確に異なっているところがあった。
まず首相は、「安心して暮らせる日本。活力ある日本。この思いを筆に込めたい」と語り、「安心 活力」と色紙に揮毫し、「われわれがつくる未来は明るい。そうした意志こそが未来を切り開く大きな力になる」と語った。
楽観主義は意志によるものとする姿勢を貫くために、景気回復によって国民の萎えた精神こそ再生させてほしいものだが、記者からの質問に答える形になったにせよ、金融危機では日本が大国として責任を持たなければいけないこと、ソマリア沖の海賊対策も含めて集団的自衛権の解釈見直しについて提言している政府の懇談会の報告書を踏まえて検討していくこと、パレスチナ情勢についての当事者に対する自制を求めていることなどに言及するとともに、景気回復についても無責任なことをできないのが政府、自民党であると言い切っていた。
小生には少なくとも、国家再生に向けた並々ならない緊張感と気迫を感じた。
一方、小沢代表は「国民の生活を守りきれず、貧富の差を拡大した政権はもはや国民にとって必要ない」と年頭から政権交代の必要性の弁に終始したが、少なくとも世界の中の日本という視点からの日米関係、集団的自衛権の問題、厳しい経済状況をどのように克服していくのかという点については一切、言及がなかったことは物足りなかったような気がする。
換言すれば小沢氏には国際的視野がなかったのである。
また首相は同日午後、伊勢神宮を参拝し、本当は「御皇室の彌榮を祈る」という言葉が入ればもっとよかったが、「大変厳かな気持ちでお参りをした。国民の安寧と国家の繁栄をお祈りさせていただいた」と語ったが、小沢氏はこの日には参拝はしていなかった。
小生には神々への祈りやについては、首相の方がどうしても信心深いものを感じるのだが、どうだろうか。
しかし、国際的視野を持つか否かは政権を握っているかどうかとではこんなにも違うものなのか。今年の通常国会は見逃せない。
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