インドでも大損害をだしていた米国ヘッジファンドの雄たち。中国が30億ドル投資した「ブラックストーン」はインドで投資に失敗。
07年に鳴り物入りで設立された中国の国家ファンド「CIC」(中国投資公司。資本金20兆円)は、最初の投資を米国ヘッジファンド「ブラックストーン」とした。30億ドルをポンと投資した。
半年も経ずに株価は80%下がって、「あれは詐欺だ」「アメリカに騙された」と奇妙な屁理屈を展開し、いまや「外国への投資を控える」とCIC最高経営責任者が言明する始末。中国人に「投資とは自己責任でおこなうものだ」という西側市場原理を説得するのは、難しい。
そのブラックストーン(米国の有力ヘッジファンド)、じつは2006年にインドへ進出し、大胆な投資戦略を行使してきた。
合計7億3000万ドルを投資し、ライバルのヘッジファンド大手「KKR」(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)と競うようにインドのIT産業などへ積極的に巨額を投じた。
インドの株式市場はムンバイ爆破テロなどもあって2008年一年間で52%落下した。ブラックストーンが投資した大手ゼネコン「ナガルジュナ建設」は71%株価が落ちた。
運動大手企業「オール・カーゴ・グローバル・ロジェスチック」社へも1億5000万ドルを投じた。同社の株価は半値以下となった。
ほかにもエンジニア企業など合計8件の投資が悉く惨敗に終わったが、インドの責任者は「われわれは長い目でインド経済の躍進を算定して長期的な投資をしている」と強気を崩さない。
KKRはインド最大産業のIT、とりわけソフトウエア企業に9億ドルを投資した。当該の「フレクトロニクス・インタナショナル」社の株価は、爾来、80%の暴落を示している。(数字はいずれもロイター)
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