(読者の声1)国内のマスコミは、オバマ就任を熱狂的に報道していますが、現地の声なき声はどうなんでしょうか。私にはなんとなく「ヨン様ブーム」と重なってみえます。
もしわが国にヨン様が帰化し、総理大臣になったとでも想像してみて下さい。マスコミは、新しい時代だともてはやし、そして熱狂している人々もいる。しかし、同時にどうして、という極めてさめた多くの人々もまたいるのではないでしょうか。
あるいは、「どうしてお前にいわれなけばならない」と冷めている人々も相当数おられるような気がして、マスコミの歓迎ムードに危うさを感じています。(NH生、大阪)
(宮崎正弘のコメント)米国のジャーナリズムは、おどろくなかれ日本のマスコミの常軌を逸した歓迎ムードではなく、きわめて冷ややかです。外交評論家の加瀬英明氏は、ヨン様というよりタイガーウッズ現象に喩えましたが・・・。
(読者の声2)オバマ新大統領への読者と宮崎氏のコメントについて通巻第2463号に寄せられた「伊勢ルイジアナ」氏に(宮崎正弘のコメント)「きわめてシンプルな語彙で、しかも力強くアメリカの現状をかたって頂きました。日本のマスコミも「もうひとつのアメリカ」を忘れている。いや、見ようともしないのでしょう」とあります。
まともな批評が今の時点で提起されていて安心しました。ただ、一服の清涼剤であることを懸念しています。お祭り騒ぎはワシントンだけで十分なのに、日本のマスコミまで伝染したように狂態を演じている。
80代の小生の知人は、就任式を深夜まで見ていて風邪をひきかけたと昨朝こぼす始末。どうなるのかと聞かれたので、株価に反映していると答えました。(SJ生)
(宮崎正弘のコメント)「宴は終わった」。今朝のヘラルドトリビューン一面トップの見出しでした。
(読者の声3)日本の新聞社はアメリカ南部に支局はなく、南部に関心もないのです。国際部はDC、NYC.だからNY・TIMESか、W・POSTなどの偏向記事を和訳しているだけなのです。
南部(中南部、最南部)アメリカの半分であり保守です。これらの東部リベラル新聞によって、南北戦争時代には、南部は北軍に侵略され、奴隷州という罪を現在でも着せられ、現在でも貶められている。
今度は、米民主党(ボストンのジョン・ケリーの復讐計画)は黒人票やリベラル票を狙って、オバマを担ぎ出したのです。
オバマの閣僚の中に南部人はひとりもいないのはそれが理由。巧みにキング牧師の公民権運動の亡霊を利用して、再び南部共和党州を貶めたのですね。昨日、南部に星条旗がはためいていない理由です。「日本軍は悪玉だった」と日本を貶める小沢民主党、左翼・マスコミに似ていませんか?
ところでオバマは南部の黒人ではない。もう指摘され始めているが、ついでに、英国ポンドは暴落(下落などではない)し、長年の連れ添いウォール街に、ついに愛想をつかした。ブリッツ(ザマァ見ろと言いたい)は、ユーロ圏入りを模索中です。(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)対円で一ポンド、ついに120円を割り込み119円です。ユーロは121円前後。ドルは87円(いずれも21日の為替)。
オバマ政権は「強いドルを目指す」そうです。世界で一番強い通貨は、しかし、日本円という皮肉。
さてアメリカ南部情報ですが、1972年にフロリダ州パナマシティに移住したのが、今上陛下の同級生、作家の藤島泰輔氏でした。藤島さんがフロリダから送ってきたアメリカのもうひとつの顔は長く『諸君』に連載されました。
その毎月のレポートは大新聞が伝える北東部と西海岸のアメリカとは違う国のごとし、でした。
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2755 「宴は終わった」が米紙のトップの見出し 宮崎正弘

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