2772 党内批判を浴びる加藤紘一氏 古沢襄

山形県知事選でモロに傷ついたのは自民党の加藤紘一氏と石原伸晃氏(山崎派)だったという。次期衆院選の前哨戦ともいわれた山形県知事選だったが、民主党は小沢代表が吉村美栄子陣営を応援し旗幟を明らかにしたのに対して自民党は閣僚、党三役クラスの応援がなかった。
その中で加藤氏の盟友である山崎拓氏は、自派のプリンスと目される石原氏を斎藤県知事の応援に投入した。麻生政権が早晩は行き詰まるとなれば、若い石原氏は有力な後継総裁の候補。逆転を許さず斎藤氏が僅差でも再選を果たせば、石原氏の株があがった筈である。選挙戦は終盤までもつれていたから、その可能性があった。
しかも四年前の知事選は斎藤氏を推した加藤氏に対して、地元の自民党系県議は必ずしも一枚岩ではなかった。分裂選挙で斎藤氏は勝ちあがっている。今回は自民党系県議の大半が斎藤支持で固まった。県内の市町村長も七割が斎藤支持だったという。
これだけの厚い支持基盤を持ちながら、出遅れの吉村美栄子氏の前に敗北したのだから、斎藤陣営のショックは大きい。明らかに風が変わっていた。
斎藤陣営の中心的な役割を担った加藤紘一氏だったが、現職県知事の敗因を麻生内閣の支持率低迷が大きく影響したとの見方を示した。それはその通りかもしれないが、敗軍の将がいうことではない。自らの力不足と言うべきであろう。
加藤氏は「民主党の小沢代表が山形に入り、自民党と民主党の印象の違いが影響した」とも述べている。「現職は本気で改革をして選挙に落ちた。正しいことを言うと票が入らない。日本政治の困難さが表れた」と言うに至っては、いつから評論家になったのか、と自民党内から早くも批判の声があがっている。
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