2777 進歩的政治家 MoMotarou

最も進歩的な政治家はクラシックな教養を必要とする。複雑な国際情勢に処して行くには、容易ならぬ教養・思索・見識を具えているか、乃至は絶大な包容力を持たねばならぬ。(安岡正篤)
米国のオバマ大統領が誕生しました。黒人(アフリカ)系最初の大統領の誕生であります。しかし私にとっては、目立ちませんが日系退役軍人エリック・ケン・シンセキ(Eric Ken Shinseki)元第34代米国陸軍参謀総長が、1月20日に退役軍人長官(閣僚)に就任したことの方が嬉しいのであります。
 *資料:シンセキ氏経歴及び来日時の様子
 http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/885678/
    
■人種的差別
前の大戦で、日系“米国人”が受けた屈辱と差別は大変なものでありました。ドイツやイタリア人が拘束されなかったのに対して、日系米人はボストンバック一つで強制移住させられました。そして米国軍兵士として敵だけでなく「偏見と差別」とも戦わなければならなかったのでした。
 *資料:二世部隊物語
 http://hawkeye.m78.com/442nd.htm
■黄色は白ではない
高校生時代、世界史の受験参考書の脚注に、「日本、パリ講和会議にて人種的差別撤廃案を提案、否決される」と書いてあるのに気がつきました。当時は人種差別というと、黒人と白人の間のもので、日本人である自分とは関係が無いものと思っておりました。
ですから、日本も早くから人種問題に取り組んでいたのだと感心しておりました。それがまさか、有色人種とは自分達のことであると知ったのは随分後のことでした。おそらく今の高校生でも、その表記だけでは意味を把握できないでありましょう。
■理想と建前と現実
日本の提案は、第一次大戦後の国際連盟新設にあたって、連盟規約に人種的差別撤廃を入れようとするものでした。これを、簡単にいうと“ぶっこわした”のが米国でありました。
米国も国内の偏見や移民政策の兼ね合いで、理想ばかりを追うわけにはいかなかったようです。当時の日本全権は牧野伸顕で、現総理麻生太郎氏は曾孫(そうそん)にあたります。
■相手はオバマでなくアメリカだ。
今回オバマ新大統領の誕生は、福井県小浜市の活躍もあり、何時(いつ)に無く日本でも盛り上がりました。しかし、どこの国でも同じですが、外交では国内の事情が優先するのが常です。
そして米国は世論の国であります。米国の正義は、世論の勢いでどちらにでも曲がります。我国は、再び否三度、嵌(は)められないように十分に練った「政治運営と経済運営」が必要となるでしょう。
■政治家の「呆(ぼ)け」は致命的
漫画に熱中したり国連へ何もかも丸投げするような、そのような政治姿勢では国の運営は務まりません。与党も野党も、頭を雪の中にでも突っ込んで冷やしましょう。これからは自分の国だけが頼りになるのです。
 *「外務官僚の背骨」渡部亮次郎 -ハンディキャップ国家論
  http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/485200 
 お勧めサイト
・オバマに頭を冷やせ 渡部亮次郎」
   杜父魚(かじか)文庫ブログ
  http://blog.kajika.net/?cid=43322
 ・「国民自重の心」小泉信三
  http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/470460/ 
 ・*防衛省OB太田述正ブログ
 「日本帝国の歴史二題 」
  http://blog.ohtan.net/archives/51312110.html
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