7月4日(金)快晴。 菊池(管理人・愛知在住63歳)、岩永君(ASC山岳会・菊池の元同僚で小屋明け常連、30歳)、長谷川さん(アルバイトで初参加のカメラマン、51歳、女性)、木下さん(昨年は池の平小屋のボランテァ、今年は仙人湯でボランテァ、69歳)の3名、宇奈月で合流、美人姉妹のお店「ささや」で会食(15年も通っている)。米澤宅離れ泊まり。
7月5日(土)朝。吉沢さん(菊池の元同僚で山仲間、小屋明け名人・ふわく山の会63歳)、児玉さん(ふわく山の会・小屋明け2回目、62歳)、山田さん(昨年3回手ボランテァ入山、菊池の古い友人・富山在住、69歳)と前夜組の4名と合流。7名、宇奈月出発。快晴で暑い。山田、木下両氏は仙人湯仮泊。一番若く強力並みのパワーの岩永君(40Kgの荷物)、と長谷川さん先行、池の平小屋着17時40分。菊池腰の調子悪く、吉沢、児玉さんと18時30着。熊と人間によりコンパネ2枚はがされていたが、懸案の新設したトイレは無事に建っていた。宿泊棟は雨漏り一箇所でバケツ一杯分(2階の小黒部鉱山側、ここ数年並)であった。管理棟はコンパネが1枚はがされ、ビール数本飲まれた形跡があり、隠し置いたバールも1本盗まれていた。
<ルートとコースタイム>宇奈月7時13分出発。仙人ダム下車(9時10分)。出発9時25分。阿曽原水平分岐10時15分。阿曽原峠10時55分。仙人雪渓12時10分(この辺前年より残雪多い)。仙人湯小屋下13時25~14時10分。通称ノド16時05分。仙人峠17時40分。仙人谷の雪渓はほぼ平年並みで、温泉小屋下の辺が1箇所崩壊していたが、へつりで越え、あとは仙人峠までズーット雪の上を歩けた(温泉付近で山ウド数本採取)。
仙人峠からは、例年どおり大きな雪渓を3箇所トラバスした。小黒部側の積雪は昨年並みで、裏庭は半分残雪に覆われていた(風呂棟は出ていた)。樹林の下でカタクリが清楚な花をつけていた。この日の作業はコンパネ外しと、部屋内のつかえ棒外し。管理棟等の清掃。寝具の整理。
<この夜のメニュー>山ウドの酢味噌あえ、おでん、スパゲティ、おにぎり。
7月6日(日)晴れ。小屋明け作業。午後山田、木下両御大合流。御前中に棟間屋根設置完了。午後からは難関の水場掘り。コンパネ整理。食糧、什器移動。布団干し。管理棟清掃など、作業は順調に進捗した。夕方から、プロパン・ガス使用可になる。
<メニュー>朝、雑炊、残りのおにぎり、おやつ、ホットケーキ。昼、熱いソーメン、山ウドの酢味噌和え。夜、牛丼、胡瓜の一夜漬け、切干大根。それに山田さんが仙人温泉で採取した親指の太さのネマガリダケをコンロで焼きかぶりつく、今回最高の絶品だった(山田さん、中の入っている幼虫まで蛋白質が一杯と、舌なめずりしたのにはみんなビックリ)。
7月7日(月)晴れ。17時、仲間の頑張りで難関の通水完了。掘った雪渓の高さは測ってみるとジャスト5mだった。風呂の設置。トイレ清掃。児玉、長谷川両名池の平山に散歩。晴天続きのためか雪解けも順調で、キバナのコマツメ、シラネアオイ、イワカガミ、カタクリが乱舞して美しい。
<メニュー>朝、味噌汁、ご飯、おやつ、お好み焼き。昼、手作りミートスパゲッテイ、コンソメスープ。夜、チラシすし、アマナの辛しマヨネーズ和え、豚汁。ネマガリダケの蒸し焼き。
7月8日(火)小雨から曇り。3時間掛かり風呂沸く。高齢者の部下数名従える岩永君、仕事の関係でそうそうに下山。小屋前の小黒部側の道普請(前年度より30cm下がった分を盛り土。ここは年々下がる傾向で心配)。
<メニュー>昼食、手作り松前漬け。この夜は、天ぷら(ピーマン、ナス、アザミ、アマナ、シシトウ、ウド)。
7月9日(水)曇りのち霧雨。吉沢、児玉のふわく陣、三の窓出会いまで下がり、三の窓の偵察。山田、木下のお目付け役、棚作りと荷揚げ品置き場造り。この日で、大まかな小屋明け作業終わる。
<メニュー>朝、ご飯、味噌汁、高野豆腐の煮物。ひじきの煮物。昼、チャーハン(ピーマン、魚肉ソーセージ、おにぎり残り)。ラーメン。サラダ(キャベツ、胡瓜、シーチキン)。夜、カレーライス。根曲がり竹の網焼き。アマナ油いため。立山消防署より立ち入り検査の通告電話あり。
7月10日(木)小雨。鉱山道下見(菊池)。岩棚を降りた水平部、2箇所崩壊、大岩1つ崩落。コバナノコマツメ、カタクリの花みごと。泣き坂道整備(菊池、吉沢・草刈、道ならし)、年々登山道の崩壊が甚だしい。大切に保護してきた小窓雪渓近くの湿地帯のムシトリスミレ、モウセンゴケと行者ニンニクが増え花をつけていた。また、上部では山桜とつつじが淡い色を付けていた。テント場のホース片付け(木下)。
<メニュー>朝、野菜炒め(ピーマン、ナス、キャベツ、シーチキン)。昼、カレーうどん、サラダ、ナン(小麦粉と塩、水)。夜、巻き寿司、はるさめサラダ、はるさめの酢もの、アマナの油炒め。
7月11日(金)曇り(朝焼けあり)、午後雨。木下、山田の両名、仙人温泉に移動。NHK富山支局の友松さん、依頼したコーヒーをボッカして入山(13時30分)。彼はこののち北海道北見支局に転勤。小屋明け前に急遽お願いした、地元のボッカ隊3名、合計66Kgの荷物を均等に、22Kgずつ担いで入山(15時30分)。メンバーは隊長の池原さん(アルペンルート、黒部貫光KKのお偉いさん、還暦)、長勢さん(黒部峡谷鉄道勤務、富山県内の2千㍍峰全山踏破し足には熊に噛まれた歯型を持つ猛者)、BOWさん(チーャミングながらも、馬力は凄い金沢の女性)。
ちなみに、荷揚げ品を列挙すると。ビール2ケース、昆布〆、生ちくわ、灰干(2パック)、きびだんご、仕出し玉子焼き、串焼き(10本)、焼肉、牛乳(1パック)、フルーチェ、長ネギ、ジャガイモ、胡瓜、キャベツ、ナス、ピーマン、大根、ニンニク、カマボコ、etc.と大変な品数、依頼した、管理人はつい嬉し涙が出た。小屋近くではサンカヨウ、キヌガサソウが白い花を付け出した。
<メニュー>朝、ご飯、味噌汁(わかめ)、アマナの油炒め。昼、ドライカレー、味噌汁。夜、昆布〆、カマボコ、山菜(アマナ、アザミ、コゴミ)、ジャガイモサラダ、すまし汁。この日、二股の橋が架かったと無線で傍受。
7月12日(土)、曇りのち小雨。モンロー会(吉沢、児玉)、ボッカ隊(池原、長勢、BOW)の5名、仙人ダムに下山。友松さんは室堂へむかった。愉快で元気な仲間が去り寂しくなる。この日、嬉しいことに登山者1名テント泊。午後、強風で風呂の扉ちぎれ飛ぶ。<0-1>
7月13日(日)、快晴。ヘリコプターの荷揚げは、明日ということで、朝から布団干しをしていると、オーナーから電話。「警備隊から留守電に聞き取れないがメッセージが入てるから、警備隊に連絡してみて」。「今日、ヘリが飛ぶそうです、池の平小屋は入っていますか」。「はい、5日に入山しています。荷物が来ても大丈夫です」。と、慌てて、布団を片付けていたら、ヘリコプターの音がした。
荷を吊っていないので変だなーと思っていたら、ヘリポートに着地し、助手が降り走り寄ってきた。「荷物運んでもいいですか、荷はどこへ降ろしますか」と矢継ぎ早に訊ねてきた。話を整理すると、今シーズンはガソリンの高騰を受け、これまでの光進ヘリエアーサービス(富山)は運送料を大幅に値上げしてきた。
そこで各山小屋は苦肉策として、安く運んでくれる会社を探していたら、長野県側の山小屋では圧倒的なシェアーをもつ東邦航空にゆきあたった。しかし、移行期の今年は、山荘組合として一本化ならないこともあり、また、池の平小屋のオーナーは、選択会社を山荘組合に連絡、根回していなかったことと、私が山岳警備隊に入山挨拶が送れたこともあり、情報が錯綜したみたいだった。
手際よく4便荷物が届いた。下げ荷で、モッコの積み込みでもたもたしていたら、再度、へりーポートに着地し、助手が走ってきて、モッコへの積み込み方、合図法など懇切丁寧に伝授してくれた。昨年と比べるとその親切度は桁外れだった。これでは、東邦航空が山小屋の運搬事業で優位になるのは無理がないと思った。<0-0>
7月14日(月)曇りのち午後から雨。真砂沢ロッジからハシゴダン乗越までの草刈り完了の連絡あり。小黒部谷も少しずつ雪解けが進み草の新芽が伸びてきているが、それを食べに猿の集団が小屋下までやってきた。意外と小猿が多い。今シーズン大活躍した絵入りのマップ「池の平の楽しみ方」作成(これは、名古屋の常連、衣川さんの助言を具現したもの)。<0-0>
7月15日(火)晴れ。布団干し。室内整理、壊れた風呂の扉造りなど大工作業。<0-0>
7月16日(水)晴れ。午後、昨年秋、仙人ヒュッテより借りた缶ビール(sサイズ、12本)帰しに行く。今シーズンは3日にヘリで入山したとのこと。名物の静代母さんは体調悪く上がっていなかった。アマチャカメラマンの長谷川さんは仙人池を前景に、シャッター音を響かせていた。カタクリ街道にもツツジ、ハクサンコザクラ、シラネアオイが咲き出した。
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2835 私的な池の平小屋備忘録(2008年 2) 菊池今朝和
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