口は災いの元という。小泉元首相が推進した改革路線にはプラス面もあればマイナス面もある。福田前首相はそのマイナス面の軌道修正を図った。しかし露骨な小泉批判はしていない。小泉内閣で官房長官だった福田氏だから、一線を越える批判は封印している。
だが麻生首相は無神経にも小泉批判の則を越えた。小泉内閣の総務相だった身を忘れている。慎重に小泉路線の軌道修正を継続すべきであった。今更、郵政民営化に反対だったが、二年間の勉強で民営化に賛成したと言って何の意味があるのだろう。
麻生首相の迷走ぶりは目を覆わんばかりだが、小泉元首相から痛烈な批判を受けて、退陣は一気に秒読み段階に入った。引退を表明しているとはいえ、やはり小泉氏は役者が違う。漫画オタクと秋葉原好きが”売り”だった麻生氏の”薄っぺらさ”とは対照的
平沼赳夫氏は「総理が秋葉原で漫画の話をしてはいけない。総理は歴史、政治、道徳、宗教学などの本を読まなければいけない」と忠告していたのだが・・・。中曽根元首相は麻生氏が「勉強になる」と公言する漫画『ゴルゴ13』を読んだ上で、「バカだね」と一刀のもとに切り捨てている。
漢字を間違えて読むのはご愛嬌で済まされる。しかし肝心かなめのところで、迷走されては一国の総理として失格と言われても仕方ない。政界の一寸先は闇と川島正次郎氏は喝破している。麻生内閣はまさに闇の世界に迷い込んでいる。
このままでは七月のイタリア・サミットを終えて解散・総選挙という麻生スケジュールは危うい。麻生首相の下で選挙をする政治日程に赤信号がついた。
<自民党の小泉純一郎元首相は12日、郵政民営化推進派の会合で、麻生太郎首相の民営化見直し発言について「怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただあきれている。首相の発言に信頼がなければ選挙は戦えない」と痛烈に批判した。
定額給付金支給のための関連法案に関し、衆院再議決に慎重な考えを表明。「あのとき賛成したが、実はそうじゃなかったと言いたくない」と再議決での造反の可能性を示唆。(共同)>
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