2915 毎日の北京情報を韓国メデイアが伝える 古沢襄

日本の北朝鮮情報が韓国の新聞に転載されるのは初めてではないか。2月18日の杜父魚ブログで「北京から毎日新聞が伝えてきた北朝鮮の軍通達情報はスクープではないか」と紹介した。その翌日、2月19日の朝鮮日報が毎日記事を取り上げている。
毎日記事の内容は、北京の北朝鮮に近い筋の情報として、北朝鮮の総政治局通達で金正日総書記の後継者は三男正雲氏が選ばれたとする内部通達が流れたというものである。
この「総政治局通達は軍部隊の思想教育用とみられ、正雲氏が後継者に選出されたことを明記し、軍大佐レベルまで伝えられた」と具体的な点に特徴である。
情報鎖国の国家である北朝鮮から後継者情報が出てくる可能性は低い。その意味で友邦である中国から洩れてくる北朝鮮情報は価値がある。北京での情報合戦が激しくなっている。
      http://blog.kajika.net/?eid=928620
<17日付毎日新聞は、北朝鮮軍の中枢機関、朝鮮人民軍総政治局が先月上旬までに、金正日(キム・ジョンイル)総書記(67)の後継者に三男正雲(ジョンウン)氏(26)が選ばれたとする内部通達を出したと報じた。
最近「ポスト金正日」をめぐりさまざまな説が飛び交う中、報道合戦に日本のマスコミも参入している形だ。これについて、統一部は18日、「正雲氏による後継説を確認できる資料はない」とした。
北朝鮮の後継指導者をめぐるうわさが最近絶えないのは、「三代世襲」を正当化しようとしていると取れる動きが見られるためだ。北朝鮮軍の思想検閲を担当する金正覚(キム・ジョンガク)総政治局第1副部長(大将)は今月初め、金正日総書記を最高人民会議代議員に推薦した際、「万景台の血統と白頭山の血統を銃で守ろう」と述べた。
故・金日成(キム・イルソン)主席の生家である万景台の血統は金総書記を、北朝鮮が金正日総書記の出身地としている白頭山の血統とはその息子を意味すると解釈可能だ。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞も金正日総書記の誕生日に当たる16日に掲載した社説で、「白頭の血統を継承する中に洋々たる前途がある」として「血統継承」の問題を取り上げた。安保戦略研究所の李基東(イ・ギドン)責任研究委員は「北朝鮮が『血統』と『家門』を強調し、金日成、金正日、金正日の息子へとつながる権力構造は当然だということを住民に植え付けようとした」と分析した。
北朝鮮内部でも後継者をめぐる水面下の論議が活発に行われているとみられる。北朝鮮消息筋によると、軍部を中心に「セッピョル(新星)将軍」という言葉が使われているという。
金日成主席が一時「ハンビョル(一つの星)」という別名を使っていたことがあるほか、金正日総書記は「将軍星」「光明星」などと呼ばれているため、「新星」は後継者を意味する。
しかし、その「新星」が誰なのかに関しては意見が分かれる。三男の正雲氏が内定したとの説に関連し、ある脱北者は「中国で(北朝鮮情報によって)金をもうけようという北朝鮮のブローカーが作り出した話だ」と語った。
長男の正男(ジョンナム)氏は1998年に最高人民会議代議員になったといううわさが出て、後継者として注目を浴びたが、2001年に日本に偽造旅券で入国し追放された後、金正日総書記の意中から外れたとの見方がある。
次男の正哲(ジョンチョル)氏(28)は、04年に母親の高英姫(コ・ヨンヒ)氏が死去するまで有力候補とみられていたが、最近は「気が弱い」というマイナスの分析が有力だ。
金日成主席は60歳になった1972年に金正日総書記(当時30歳)を後継者として内定したとされる。当時北朝鮮では「党中央」という表現が登場したが、韓国政府がそれを確認したのは1980年10月の労働党大会で党中央委員に公式指名されてからだった。
これに対し、金正日総書記は今年67歳で健康状態が優れない。韓国政府の関係者は「焦っているのではないか」と分析している。(朝鮮日報)>
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