民主党の小沢代表は東京地検特捜部との全面対決も辞さない構えだったが、六日、東京地検の参考人聴取には応じる意向を示した。頑なに検察の国策捜査だとする態度では民主党内だけでなく国民の理解を得られないという判断に立ったのであろう。
しかし西松建設の献金事件が収賄に当たらないと争う姿勢も明らかにしている。
東京地検特捜部が贈収賄事件を視野に入れているのは間違いない。標的が小沢氏の公設第一秘書である大久保容疑者だけに絞られているのだろうか。岩手県奥州市にある小沢氏の個人事務所に家宅捜索をかけ、関係資料60箱押収するのは単なる政治資金規正法の違反事件にしては大げさではないか。
しかし大久保容疑者よりも、さらに上を標的にした贈収賄事件の立件は難しいのではないか。仮に西松建設の贈賄容疑が固められても、収賄を立件するのは困難だというのは、特捜部も十分に承知している筈である。
国策捜査という回り道をしたが、西松建設の献金事件を端緒とした小沢氏と特捜部のせめぎ合いは、これから始まる。結局は大久保容疑者を政治資金規正法違反で起訴して幕を引く可能性がある。
それにしても総選挙を前にして小沢民主党が受けた打撃は深刻なものがある。
<民主党の小沢代表は6日昼、自らの資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部から参考人聴取を求められた場合の対応について「あなた方の質問に答えているのだから、どなたでもお話したいなら、可能な限り、いつでも話する」と記者団に語り、応じる意向を示した。
自らの進退問題については「現時点では考えていない。いずれきちんと結論が出てからだ」と述べ、現段階での代表辞任を否定した。
また、4日の記者会見での検察批判が党内外から批判を浴びていることについて、「言葉遣いが悪かったなら訂正はいくらでもする」と釈明した。
陸山会などにダミーの政治団体を通じて政治献金をした準大手ゼネコン「西松建設」との関係について「西松建設と関連の企業グループの皆さんが私を応援する後援会を作ってくれた。私は年に1回集まる時に出席し、あいさつしていた。たぶんその時には、社長らは出席していなかったと思う。前社長(国沢幹雄被告)とは全く面識はない」と語った。
事件報道について、「疑惑が出ているとは思っていない。収賄の被疑者のような報道をされているが、そういう事実は全くない。個別のことは秘書に任せているから、一つ一つのことは分からない」と述べた。
西松建設に政治献金の請求書を出していたことについては、「どういう形で具体的な手続きとしてやっていたか分からないが、政治団体からの寄付なので政治団体で受けたということだと(聞いている)」と語った。
そのうえで、「二つの政治団体のお金がどのような形で集められたのかは他の人は知るすべもないし、どういうお金ですかと一般社会でせんさくすることはあり得ない。政治団体から団体ということで事務処理してきたということは、事務的には問題がないということだと思う」と強調した。
これに先立ち、小沢氏は党本部で石井一副代表らと会い、「なぜこんな事が起こるんだろうな」と秘書逮捕に不満を漏らし、「金額の多さの問題ではないか」と指摘した石井氏に対し、「額の問題と言っても、法律は一緒だろ」と反論したという。(読売)>
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2981 特捜部の参考人聴取には応じる 古沢襄

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