西松建設の企業理念にはこうある。「自由競争を確保し社会常識と乖離しない健全な企業活動を推進する」「社会の一員たることを自覚し、遵法自治の精神をもって行動する」
現実の商売はきれいごとばかりではないから、時には「豪腕」「辣腕」が必要で、賄賂やらリベート、色気、酒、ゴルフ、料亭が絡み合う場面は珍しくないだろう。
大手ゼネコンの同級生(現場所長→営業部長)によると、接待交際費というか、受注するための戦費・工作費は、工事代金の1%だという。40億円の工事なら4000万円。政治家とか業界のドン、フィクサー、要路にこうした金が流れる仕組みで、それぞれちゃんと仕事をしたのだから当然とそれを貰うのだ。おいしい汁を吸っているなんて誰も思わない。
それでもアンダー・ザ・テーブルのことだから、表立ってはいけないのだ。政治家やその威を借りる秘書が工事を仕切って、政治献金を装った金を貰っていたなどということが表立ったら、すこぶるまずい。下手をすれば逮捕される。
小生の記憶では、建設関係で現職時代の行為をもって逮捕・起訴・下獄した大物議員は建設大臣・中村喜四郎だったろう(平成7年1995)。
小沢一郎の師匠、田中角栄は昭和51年(1976年)7月にロッキード事件で逮捕された。次いで師匠とあおいだ金丸信が脱税容疑で逮捕されたのは平成5年(1993)3月6日だった。
小沢にとって田中も金丸もいない自民党に未練はなかったのだろうか。
<金丸逮捕の3ヵ月後の93年6月、小沢は自民党を離党して新生党を結成し、代表幹事に就任。同年、日本新党、日本社会党などと連立して細川護煕(もりひろ)内閣を誕生させ、自民党から政権を奪取した>(ヤフー百科事典)
小沢は「壊し屋」などとも言われているが、次はなにを壊すのだろうか。「選挙互助会」の民主党は小沢を求心力として総選挙にうってでる構えだったが、小沢も二人の師匠と同様に逮捕されかねない雲行きだから、民主党は壊れかねない。
角栄は平成5年(1993)12月16日、金丸は3年後の平成8年(1996)3月28日に亡くなる。政治家にとって逮捕は心身ともにダメージが大きいから病気にもなる、寿命を縮める。小沢が壊すのは自分自身かもしれない。
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