3015 中国の外貨準備は1兆9460億ドル 宮崎正弘

数字に如実にでてきた中国経済のダウン傾向。それでも準備は1兆9460億ドルに微増。
中国の輸出黒字は2009年二月が25・7%の激減(ちなみに一月は17・5%激減)ぶりを示した。金額で48億ドル強、過去三年で最低の記録である。
経常収支の黒字は2007年が4400億ドル。それが2008年は4060億ドル。およそ一割減っている。
一方、中国の外貨準備の増加は、過去三年ほどは毎月30-40億ドルのペースだった。それでも世界一の座は揺るがない。
「外貨準備速報値は1兆9460億ドル(二月末)。このうちの8000億強が財務省証券を含む米国債保有だろう」とウォールストリート・ジャーナル(3月11日)が新しい数字を伝えた。
香港筋は「このペースで2009年の外貨準備増加は、それでも3000億ドル、年末に中国の外貨準備は2兆3000億ドル弱に達しようと強気の予測をしている。
  ♪
(読者の声1)貴誌第2521号の、「(読者の声1)『太平洋戦争はなぜ負けたか』(別宮暖郎、並木書房)の書評に関してですが、太平洋における海戦の敗因が「物量の差」などではなく海軍の稚拙な作戦の問題である事は、最近様々な研究者によって指摘されつつあり、その点では著者の主張はもっともだろうと思います」とあります。
情報提供させてください。
戦後すぐに「アメリカ戦略爆撃調査団」が来日し膨大な調査を行い議会に報告しています。その結論は、「日本の根本的な敗因は日本の戦争計画の失敗である。日本は短期戦に賭けたが予想ははずれ、その貧弱な経済をもってはるかに優勢な10倍以上の経済力をもつ強大な国家アメリカに長期にわたる抵抗を余儀なくされたことにある」としています。
日本側では昭和16年3月陸軍省戦備課芝生少佐が米国の国力判定を行い「対米戦争遂行困難」を判定していますが、岳父荒木陸相により「不安を免れない」と修正されました。 
また当時、対米諜報活動に従事していた新庄陸軍主計大佐が「新庄レポート」を提出し、日米の国力比較として、鉄鋼生産量24倍、石油精製量 無限倍、石炭生産量12倍、電力4.5倍、アルミ8倍、航空機8倍、自動車50倍、船舶保有数1.5倍、工場労働者数5倍と報告しています。 
開戦決断の昭和16年11月、大本営政府連絡会議において企画院総裁鈴木貞一(中将)は、「(米英蘭より経済封鎖されている)現状をもって進行すれば、国力の物的部面の増強に頗る不利だが、今なら何とか開戦は可能と判定する」という楽観的な戦時戦略物資計画を提出し、開戦の最終決断を促しました。 
その根拠の大本は
(1)陸海軍の石油備蓄は、戦時想定でほぼ2年分あり、
(2)現時点なら帝国海軍戦備は、米英の太平洋極東艦隊戦備を上回っている。(戦艦:日本10、米9、英0、 空母10-3-0、巡洋艦 38-20-8、駆逐艦 112-50-5、潜水艦 65-33-0:合計 日本 235、米15、 英 13)。
なお米国戦略爆撃調査団のいう「日本は短期戦に賭けた」とは、「日本は、ドイツが対ソ戦を昭和17年前半に勝利して終了させ、その後全戦力を対英戦争に集中し、昭和17年末までにはドイツは英国を降伏させる」という短期戦(1年間の戦争)を想定・期待しそれに「賭けた」ということを指摘したいのであろうと小生は理解しております。(KI生、尼崎市)
(宮崎正弘のコメント)貴重なデータを改めて頂きました。有り難う御座います。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました