西松建設の違法献金問題で、希望的観測が入った楽観論と悲観論が民主党周辺に広まっている。何故、二つの相反する観測が流れるのか?事件を扱っている東京地検特捜部から核心に触れる情報(リーク)がほとんど洩れてこないからである。
小沢代表、鳩山幹事長らは特捜部がマスコミに情報をタレ流して、民主党を潰そうという「国策捜査」だと大騒ぎした。ところが現場で特捜部の検事を追いかけ取材している検察記者たちは、リーク、リークと騒がれるほど情報が取れないで苦労している。過去の検察取材の中でも、検事たちのガードがえらく固いそうである。
現実には西松建設の違法献金問題で小沢氏周辺の疑惑記事が連日の様に紙面の一面トップを飾っている。よく読んでみれば分かるのだが、その情報ソースは自供した西松建設側の供述内容によるものが殆どである。
少なくとも小沢秘書の大久保容疑者の供述内容は一切洩れていない。だから疑惑を否認しているとしか書くしかない。実は否認のままなのか、一部供述を始めているのか、それすら定かでない。少しはリークしてくれよ!というのが本音であろう。
マスコミ各社は、この事件を半年以上も前から追いかけ取材してきた。かなりの情報量を持っている。この事件が単なる政治資金規正法違反ではなく、贈収賄事件に発展する可能性があるとみている社がかなりある。
ただ、贈収賄事件につきものなのだが、贈賄側、今でいえば西松建設側の贈賄意図は、証拠を突きつければ、簡単に立証できる。問題は収賄側にその認識があったのか、さらには職務権限を使って便宜を図ったか、それ立証をしなくてはならない。
東京地検特捜部がどの程度の証拠を握ったのか、今は闇の中だから、楽観論と悲観論が交錯している。
そこから様々な憶測が流れている。捜査は大詰めを迎えているので、地方から特捜検事の応援を求めて、証拠物件の読みなど慌ただしさをみせている。今頃、地方検事の応援を求めているのは、証拠固めが難航しているのではないか。楽観論は大久保不起訴、検察の大敗北と占う。
そこまでのノー天気な楽観ではないが、大久保容疑者が起訴されても、法廷闘争で無罪を勝ち取ることが出来るという楽観論が意外と多い。また無罪が勝ち取れなくても、微罪で済ませて小沢代表の監督責任にまで及ぼさせないという裁判戦術もある。
群盲が象を撫でるごとく、手札をみせない東京地検特捜部の動きを勝手にあれこれ言っているのが現状であろう。24日に大久保容疑者の起訴が行われるが、それからが本当の勝負どころになる。それまではマナイタの鯉の心境でジタバタしない方がいい。
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