3069 美しき岩手の風土が汚される 古沢襄

岩手県にルーツを持つ私にとって、このところ毎日の様に「岩手」のことがメデイアに出ることは決して有り難いことではない。あの美しい風土が汚されている様な思いに駆られる。
毎年、五月には岩手県に行くことを十数年にわたって繰り返してきた。東北新幹線で北上駅に近づくと雪解け水で増量した北上川と和賀川を目のあたりにすることが出来る。遠くには残雪をいただいた奥羽山脈の連山をみることが出来る。
この地で私の家は三百年、十代の歴史を刻んできた。郷土の誇りといえば、ジャーナリストから平民宰相になった原敬首相、終戦に当たって力を尽くした米内光政海軍大将であろう。盛岡に立ち寄る時には原敬記念館、米内光政の墓がある寺に足を運ぶことにしている。
上野駅の東北新幹線改札口には人目につかないところに石川啄木の碑がひっそりと立っている。「ふるさとの訛(なまり)なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」・・・渋民村を追われるように去った啄木の郷土に対する思いが伝わってくる。
素朴で口下手な岩手県人だが、心の美しさでは他県人に負けない。それをひそかに誇りとしてきた。ゼネコンまみれの岩手県は先人が営々として培ってきた岩手ではない。
気になることが、もう一つある。北朝鮮が打ち上げる長距離弾道ミサイルはちょうど岩手県の遙か上空を通って太平洋に落下する。空までが汚されると思うのは、思い過ごしなのだろうか。
米国の最新鋭のミサイル防衛(MD)システムを搭載したイージス駆逐艦「スティーザム」(艦長=シャン・バーン中佐)が23日、青森市の青森港に寄港している。日本海で長距離弾道ミサイルの航跡を追うのが目的であろう。風雲ただならぬものを感じる。
北朝鮮は国際世論を無視して長距離弾道ミサイルの発射実験を行うと北京の中国筋はみている。毎日新聞が北京から伝えてきた。その様な時期なのに日本は西松建設の違法献金問題で大揺れに揺れている。何か大切なものを忘れているのではないか。
【北京・西岡省二】弾道ミサイルとみられる「人工衛星」の発射準備を進める北朝鮮に対し、中止を求める日米韓などの圧力が強まっているが、北朝鮮の国内事情に詳しい中国関係者の間では「発射中止はあり得ない」との見方が支配的になっている。
北朝鮮が発射にこだわる理由は二つに大別される。
まず、北朝鮮が「核保有国」としての立場から米国に核軍縮交渉を迫るためには、核兵器で米国を攻撃できる能力を示す必要があるからだ。これには米本土を射程に入れた長距離弾道ミサイルの発射を成功させることが不可欠。北朝鮮は「人工衛星」の発射が目的だと主張しているが、実質的には「衛星打ち上げ技術=長距離弾道ミサイルの発射能力」と評価されている。
二つ目は、自国の科学技術の水準を高めることにある。北朝鮮では故金日成(キムイルソン)国家主席の時代から「他国にある科学技術は必ず獲得すべきだ」との国家的課題があり、人工衛星にも強い関心を払ってきた。
この2点に加え、4月9日の最高人民会議で金正日(キムジョンイル)総書記の第3期指導体制がスタートすることも見逃せない。「衛星」はその直前に発射される予定で、事実上、金総書記の指導体制強化に向けた国威発揚の手段となっている。
こうした事情を背景に、ある中国関係者は「北朝鮮には発射中止の選択肢はない。日米韓はおろか中国が『やめろ』と言っても、必ず実行する」と見通している。
◇北朝鮮ミサイル発射計画
北朝鮮は2月24日、実験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を運搬ロケット「銀河(ウンハ)2号」で打ち上げると発表、国際機関に4月4~8日の間に発射すると通告した。日米韓は、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備をしているとみて警戒している。(毎日)>
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