民主党の小沢代表が政権交代を目指して代表を辞任しない意向を表明したことは、菅代表代行や鳩山幹事長ら執行部から支持されたが、党内からは辞任を求める声が相次いでいる。今週末にも行われるマスコミの世論調査で辞任を求める国民世論が多数を占めれば、小沢氏は窮地に立つことも予想される事態となった。
党内的にみれば小沢グループは約50人の最大勢力。小沢氏を守って党内が一致結束すれば、難局を乗り切って総選挙でも勝利できるとみている。
これに対して小沢氏に代わる民主党の顔・岡田副代表を選んで、選挙に臨む意見が燻っているのは前原副代表のグループ約30人と野田広報委員長のグループの約20人。
また鳩山幹事長の約30人、菅代表代行の約30人、旧社会党系20人と旧民社党系20人も小沢氏の続投で固まっている。党内的にみれば小沢代表の続投が多数意見となっている。
ただ地方県連には新しい顔・岡田副代表に切り替えないと選挙戦で苦戦するという声が意外と多い。また小沢氏の続投の説明は、まだ不十分で国民の納得を得ていないとする意見は、小沢氏を支持するグループにもある。
そこからマスコミ各社が行う世論調査の前に小沢代表が党内と国民各層に続投の理解を求める丁寧な説明を再度行う必要が出てきている。
<民主党の小沢一郎代表が続投の意向を表明して一夜明けた25日午前、同党幹部は、党内や国民の理解を得るために小沢氏自身が今後も説明責任を果たしていくと強調した。ただ、党内には「小沢氏の説明は不十分」との声や不満がくすぶっており、今後、小沢体制で結束していけるかは不透明だ。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日午前、都内で記者団に対し、「小沢氏自身の丁寧な説明、国民の皆さんに理解を求める努力が必要だ」と強調した。また、「もう一度戦う姿勢を強めていかなければならない。政治とカネの問題では、わたしどもが反省の中から徹底的に改革する意志を強く示すことが必要」と述べた。
輿石東参院議員会長は参院議員総会で「小沢氏が27日の総会に出席し、皆さんに説明する」と報告。これに対し、蓮舫氏は「国民から疑念を持たれている。執行部はすべての議員、党員などに途中経過を説明する責任がある」と執行部の対応に不満を表明した。
また、小宮山洋子衆院議員は記者団に、「できるだけ早く身を引くべきだ。おわびしながらでは選挙は戦えない」と早期辞任を求めた。
一方、麻生太郎首相は自民党本部で細田博之幹事長らと会談し、小沢氏続投をめぐる経過について「(小沢氏は)ピントが外れている。問題の所在が分かっていないのではないか」と述べた。
これに先立ち都内で会談した自民、公明両党の幹事長、国対委員長は「上場企業による偽装献金という大きな問題を軽く見過ぎている」「法の規範意識が足りない。国民に十分説明していない」などと小沢氏を批判。細田氏は記者団に「極めて認識が甘い」と指摘した。(時事)>
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