3081 千葉に始まり、千葉で終わる? 古沢襄

総選挙を目前にして民主党の小沢氏の代表続投は正解だったのだろうか。永田メール問題で危機に立たされた民主党は、前原代表が辞任し、小沢代表のもとで千葉七区衆院補選に得票差はわずか955票ながら勝利した。
民主党内で小沢代表の求心力が高まり、安倍政権下で行われた参院選でも勝利した。千葉は選挙に強い小沢神話の始まりであり、次の総選挙で民主党による政権交代が現実のものとして語られていた。
その矢先に西松建設の違法献金疑惑が東京地検特捜部に摘発され、小沢氏の公設第一秘書が逮捕され、起訴されて刑事被告人の身となった。大久保被告は容疑の一部を認める供述を始めたといわれる。
小沢氏にとって青天霹靂の出来事だったろう。大方の世論は小沢代表の辞任を求めている。その最中に29日には千葉県知事選が投開票日を迎える。もし民主党系の候補が敗れることになれば、小沢神話の終わりになりかねない。
千葉に始まって、千葉で終わることになれば、巧まずして作られた因縁と思わざるを得ない。それが来るべき総選挙に与える影響を見逃すわけにはいかない。戦後政治の中で注目すべきドラマが始まろうとしている。
<西松建設献金事件:小沢氏秘書起訴 解かれた封印、民主の亀裂表面化
◇反小沢「説明足りない」/親小沢「投げ出し」警戒
民主党の小沢一郎代表が公設第1秘書の起訴を受けて続投を表明したことを受け、党内の反小沢グループから早期辞任を公然と求める声が相次ぎ、小沢氏の続投を認めた執行部は擁護に追われた。
一方、小沢氏が「続投がプラスかマイナスかは国民の受け取り方次第」と語ったことに対しては、突発的辞任への警戒と「いずれ辞める」との期待感が交錯。これまで封印されてきた小沢支持、反小沢のそれぞれのグループ間の対立が深まり、党内の亀裂が表面化しつつある。
「法廷闘争はガンガンやっていただきたいが、必死にやっている候補者を巻き込んではいけない」。仙谷由人元政調会長は25日、国会内で記者団に対し、小沢氏を痛烈に批判。「代表が自主的に政治判断をなさるべきだ」と早期辞任を求めた。これに先立つ参院議員総会では、蓮舫氏が「政治と金の問題で国民に疑念を与えてしまった。(続投表明の経緯について)執行部に説明を求めたい」と迫った。
24日に小沢氏へ自発的辞任要求を突き付けた横光克彦衆院議員が所属する党内グループ「リベラルの会」(代表世話人・平岡秀夫衆院議員ら)は25日、小沢氏の事件に対するさらなる説明を執行部に求めることを決めた。
矢面に立つ執行部は苦悩を深めている。25日夕、千葉県松戸市内で県知事選の推薦候補の応援に立った鳩山由紀夫幹事長は「民主党が政治とカネの問題にもっとクリーンになれよと国民は思っている」と述べ、政治資金規正法見直しに取り組む意欲を示した。
そんな中、小沢氏続投を支持する議員の間では、反小沢グループの早期辞任要求について「一部の人間が騒いでいるだけ。相手にしない」などと冷ややかな受け止めが大勢だ。
しかし、小沢氏は24日の記者会見で「代表にも首相にも何の未練も執着もない」と言い切り、「続投はあくまで世論の支持が前提」との姿勢を強調、関係者には「さすがに疲れた」と漏らした。このため、「世論調査結果の党支持率や千葉県知事選などの結果を受けて、突然辞任表明するのではないか」(若手)との憶測が出ている。
小沢氏の続投宣言は、かえって辞任時期を巡る憶測を党内に広げ、小沢氏に対する立場を異にする議員の間で疑心暗鬼を生んでいる。【上野央絵】
◇地方行脚めど立たず
続投表明から一夜明けた民主党の小沢一郎代表は、次期衆院選に向けた地方行脚再開のめどが立たず、完全公務復帰に至らない状況だ。
小沢氏は27日の代議士会、参院議員総会で党所属議員全員に対し、続投について理解を求めるが、展開次第で代表としての「機能不全」状態はさらに続く可能性もある。
小沢氏は25日、東京駅近くのホテルにこもって姿を現さず、目立った来客もなかった。【渡辺創】(毎日)>
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