3086 首相訪中延期は一向に構わない 丸山公紀

産経18日付によれば、麻生首相の中国公式訪問の延期について、中国側が「日程調整がつかない」として中国が内々に申し入れてきたことがわかったというが、その背景には東シナ海の尖閣諸島の領有権問題への反発があるという。もともと昨年年末の日中首脳会談で中国の温首相が正式に要請したものであり、3月27~29日の日程で調整が続いていたという。
先の日中首脳会談では、麻生首相が領海内に海洋調査船が出没した事件に対して抗議、さらに2月下旬の衆院予算委で尖閣諸島について、「日本の領土である以上、安保条約の対象になる」と答弁したことは、我が国の領土であるから当然なのであるが、これに対して、中国外務省は態度を硬化、反発したのである。
しかし、3月初旬には河村官房長官が「米国の見解は従来通り変更していないとの確認を得た」と発言、オバマ政権になっても「日本の主権が及ぶものとして、日米安保が適用されている」という立場は不変であることが明らかとなった。何も日米安保を持ち出さなくともよさそうなものだが、尖閣諸島に中国の軍隊が繰り出した場合には、米国は自国に与えられた主権侵害としてみなすという意味である。
それにしてもこのところ中国の海洋権益を確保しようとする姿勢はあからさまであり、南シナ海で中国の艦船が米海軍調査船の航行を妨害していることに対して、米国の怒りも並大抵のものではない。
麻生首相の訪中についてはもともと中国が要請したものであり、それが中国の尖閣諸島の領有権問題であったとしても、我が国は一向に臆する必要はあるまい。延期をされても実際は我が国にとっては一向に都合の悪いことはない。そのままにしておくべきであろう。
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