<【ワシントン6日共同】ゲーツ米国防長官は6日、コスト高を指摘されていた最新鋭戦闘機F22の新たな発注を見送る方針を表明。同機は近く生産中止に追い込まれる可能性が極めて濃厚になった。
同機は航空自衛隊の次期主力戦闘機の最有力候補で、日本政府が今後、選定作業の抜本的な見直しを迫られるのは必至。F22は世界最強の空中戦用戦闘機とされ、1機1億4000万ドル(約140億円)。(共同)>
世界最強の空中戦用戦闘機とされていたF22ラプター(Raptor)だが、開発が行われた冷戦時代が去り、生産数の縮小により、一機当たりのコストは約1億4200万ドルに達していてコスト面で生産維持が難しくなっていた。。
生産数を増やしてコスト低減を図るのには日本やイスラエルにF22を輸出するしかない。だがF22は敵機から発見しにくいステルス機能など軍事機密の塊といえる。アメリカ議会は2006年にF22の輸出を禁止する条項を国防歳出法に盛り込んだ。
さらに2007年には下院歳出委員会がF22の輸出禁止条項を継続させる決議を採択している。したがってF22が航空自衛隊の次期主力戦闘機として採用する壁は厚い。他国を攻撃する意図を持たない日本が、F22の様な世界最強の空中戦用戦闘機を持つよりも北朝鮮のミサイルを防衛する整備計画を急ぐ方が先決事項ではないか。
航空自衛隊の次期主力戦闘機の選定に当たっては、コスト重視の視点を持つ必要がある。採用するか、どうかは別としてイギリス、フランス、ドイツが共同で開発した次世代戦闘機・ユーロファイター も検討して良いのではないか。すぐれた空戦機能を取り揃えており、先端レーダー追跡装置で20個の目標物を同時に追跡する能力を備えている。F22より遙かに格安。
米国防総省と同盟八か国が、米航空宇宙機器大手ロッキード・マーチンと共同で進める計画のF35も検討対象になる。耐用年数の向上とコストの抑制を目指している。
日本が独自に開発を進めているステルスタイプの次世代戦闘機に「心神(しんしん)」がある。もともとF22のステルス機能は日本の技術。2011年に心神の一号機が初飛行の計画を持っている。ただ武器輸出が禁じられている日本では大量生産によるコスト減が出来ないから実用機としては壁が高い。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
3142 世界最強のF22は生産中止か 古沢襄

コメント