我が国では、まず文盲がいない。ホームレスも新聞を読んでいる。こんな国はまずないだろう。世界では文盲がゴマンといて、国連・ユネスコによると15歳以上の識字率(母語における日常生活の読み書き算盤ができる率=リテラシー率)は全世界平均で75%である。
限られたデータだが、国別で低いのは――
ニジェール 17% (男性25%、女性9%)
アフガニスタン 36.3%(男性51.0%、女性20.84%)
バングラデシュ 41.1%(男性50.3%、女性31.1%)
パキスタン 41.5%(男性53.4%、女性28.5%)
インド 58.0%(男性69.0%、女性46.4%)
ナイジェリア 66.8%(男性74.4%、女性59.4%)
イラク 74.1%(男性84.1%、女性60.2%)
イラン 77.0%(男性83.5%、女性70.4%)
シリア 79.6%(男性96.0%、女性73.6%)
インド以外はイスラム教で、宗教に「淫する」とろくでもないことを示している。
アメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国、オセアニア諸国については他国と比較できる統計が公表されていないから不明だという。ちなみに日本は99.8%で世界一である。
国連は2003年~2012年までを「国連識字の10年 すべての人に教育を」と宣言し、2015年までに識字率を50%改善するという目標を立てている。イスラム原理主義を撲滅しない限り難しいだろう。
フィナンシャルタイムズを覗いたら、「英国の経営者の4割が従業員の読み書き算盤能力欠如を憂慮」という記事があった(2009年4月6日)。
<As many as four in 10 employers encounter difficulties with literacy and numeracy among their workers, a survey from the CBI employers’ organisation has found>
CBIというのはConfederation of British Industry、英国産業連盟、日本の経団連みたいなものである。
特に小売業では雇い主の69%が従業員の「読み書き」について心配し、56%が「基礎数学」について心配している。空恐ろしい数字である。
アメリカの識字率のお粗末さについては前田正晶氏がメルマガ「頂門の一針」でしばしば指摘しているが、本家イギリスも同病相哀れむ状況というのはどうしたものだろう。多分移民を大量に受け入れた弊害で、G20金融サミットで大暴れしていたような、サルコジ言うところの「社会のクズ」が蔓延しているのだろう。
もって他山の石とすべしで、論語と同様にがんがん詰め込んでいけばそのうち花が開くのである。それが江戸時代からの手習い所(江戸)、寺子屋(関西)などを通した日本式の教育で、これが日本を一流国に押し上げた。ここで手を緩めたら階段を転げ落ちるからご用心、ご用心。日教組をつぶさなければならない。
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