3164 北京五輪の生物・化学兵器襲撃計画 宮崎正弘

北京五輪を生物・化学兵器で襲撃を計画した、とアルカィーダ細胞の幹部。アフガニスタンに増殖するジハード過激派が次の攻撃目標は中国人と示唆。
米国とNATOが増派を決めたアフガニスタンでは逆にタリバンが復活している。いや、以前より資金も潤沢で、武装の中味も格段に良くなった。武器はパキスタンばかりか、タジキスタン、ウズベキスタン国境からも入る。
資金源は麻薬。カルザイ政権はカブールを治めるのみで、アフガニスタン政府の統治が及ばない場所が殆ど、そこで麻薬が栽培され、世界へ輸出され、ジハードの戦士を補充し、軍事訓練を施し、爆弾をかかえて突撃する戦士が量産される。
タリバン独裁時代、アルカィーダの軍事訓練基地が山岳の洞穴、渓谷などにあった。現在もアフガニスタン国内のカスト、バグナム、カブール、ヘラーの四箇所にあり、実際の軍事訓練がなされている。
さて中国が軍事支配するトルキスタン。
1951年に中国共産党はトルキスタンを軍事占領し、「新彊ウィグル自治区」とした。東トルキスタン独立を叫ぶ人々は殆どが殺されたか、海外へ逃げた。民族的にはトルコ系、従って世界中のトルコ系民族が居住する場所で政治主張が出来る。かれらの動きが最近にわかに活発化した。
東トルキスタン独立運動は、ノーベル平和賞にノミネートされ、北京の妨害で受賞に至らなかったが、人権活動家として著名なカディール女史がいる。彼女は平和的主張しかしない。ワシントンでもミュンヘンでも、東京にも支部がある。
 
テロリスト路線には反対で穏健派が、じつは世界的に一番多い。
過激派がいる。ウィグル独立を叫ぶイスラム過激派が集結するのはトルコ。イスタンブールである。ほかにドイツ、イエーメンにも細胞があると言われるが、真相は分からない。
▲欧米のアフガニスタン増派は逆効果をもたらす危険性に満ちている
米ジェイムズタウン財団が発行する『テロリズム・モニター』(4月10日号)に拠れば、「世界各地で出版され、或いはウェッブ上の機関誌が数誌、確認されている。なかでも有力メディアが『トルキスタン・アル・ムスリマ』、同誌の3月26日号は「われわれの祖国は中国共産党に軍事占領されているのも同然であり、ウィグル人への民族差別が烈しい。
この不正を暴くには力に訴えるしかない。我々には、神によって決められた自由と独立の権利がある」と主張している。
攻撃目標を中国人と示唆しつつ、例外は「漢族のムスリム」(回族)と注意書きもあるという。
ほかにも 『アル・ファラージ』は2008年7月に創刊された。
『サワト・アル・ジハード』(聖戦の声)は、2004年から07年までサウジアラビアで刊行されていた。
『サダ・アル・マルヒム』(戦闘の響き)はイェーメンのアルカィーダが発行する。03年にパキスタンSSに殺害されたハサン・マーサムを近年「英雄視」する傾向がある。
さてウィグル独立を訴える若者の中にはアフガニスタン国内の軍事基地で訓練された者が多い。彼らを中国も米国も『テロリスト』と呼んでいる。
当時、ウィグル組はアフガニスタンでIMU(ウズベキスタン・イスラム運動)の下部組織として、訓練された。
そして、最近「TIP」という正体不明の組織が登場、この細胞幹部に前述『トルキスタン・アル・ムスリマ』誌が独占インタビューに成功した。
 
その幹部が言った。
「北京五輪では生物化学兵器を駆使して襲撃する計画だった。途中で(中国のスパイに)見つかり、計画は頓挫したが、いずれ再決起する」。
かくして欧米のアフガニスタン増派は逆効果をもたらす危険性が高い。
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