ついに巨大なゆがみを生んだ中国の一人っ子政策。子供の男女差、じつに3200万人。地域差が顕著、二分化も特徴。
1979年に中国は一人っ子政策を導入した。
漢族には厳密に一人っ子、法外な罰金を支払う場合のみ二人、その数倍の金を支払う余裕がある特権階級のみ第三子が認められていたが、香港に近い漁村とか、特殊な富裕層いがい、収入がないから罰金が支払えない。
だから殆ど例外なく「一人っ子」である。例外は少数民族で、そのマイノリティの度合いに従って二人、三人までOK。
近年あまりに弊害が大きく、漢族同士で、さらに一人っ子同士の結婚の場合は二人まで、とかに緩和された。さらに近年中には一人っ子政策が劇的な緩和方向にあると観測される。
将来はともかく、現実の現場が問題である。
農村部へ行くと、小学校のクラスに男子が顕著、地域差はあるが一部には4vs1という男尊女卑の農村もある。
農村平均は143vs100という数字がひろく用いられる(反対に上海など先進的都会では女の子が可愛いと言って男子よりすこし多い)。
2005年調査の平均でも中国全土では、少年120 に対して 少女100という割合が確認されている。
『ブリティッシュ・メデカル・レポート』は過去二十年間で中国の20歳以下の男女比率の格差が顕著となり、いまや男女差は3200万人に達したと衝撃的報告を出した(ニューヨークタイムズ報道、4月11日付け)。
▲日本は男尊女卑社会をとうに放棄した
日本は制限もなにもないのに、出生率1・20とか1・23とか。
これは女性の結婚観の変化が一番の原因である。結婚しない、或いは結婚しても子供が要らないという日本人女性がなぜ、これほど急増したのか。或いは、極端な女尊男卑(「男尊女卑」ではない)がなぜ、うまれたか、社会科学最大のテーマに成りつつある。
単に女性の働く場所が増えて収入が増えた、とか四大出の女性はそれにふさわしい収入の男しか求めないとか、そういう現象的な問題ではない。いまや、人生そのものへの取り組み、すぐれて生物学的視点をこえて、哲学の領域で、日本人の考え方は変わったという重大な文明的要素のほうが大きいだろう。
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