”身を捨てて浮かぶ瀬もあれ”というが、小澤一郎氏の代表続投にしがみつく民主党の小澤グループには届かぬ声の様だ。小澤続投で中央突破を図る側近は、26日に投開票を迎える名古屋市長選で民主党推薦の河村たかし氏の当選を期待して熱い視線を送っている。
河村たかし氏は優位な選挙戦を戦っており、菅代表代行が先陣を切って名古屋入り、19日には鳩山由紀夫幹事長、22日には小澤代表も応援に駆けつける。
千葉、秋田の両知事選で連敗した民主党は、名古屋市長選で勝利して党勢を立て直し、総選挙になだれ込む作戦の様だ。だが名古屋市長選で勝っても、民主党の劣勢が一気に挽回できるか保証のかぎりではない。すべては選挙後の世論調査に賭けるしかない。
小澤氏の人気度は低迷したままだが、誰の目にも鳩山代表・岡田幹事長の布陣で総選挙に臨んだ方が、民主党にとって有利な選挙戦になると映る。
むしろ名古屋市長選で勝てば、小澤氏が代表を辞任する最後のチャンスを失うことになるのではないか。みすみす戦いに有利なカードを捨てることになりかねない。辞任カードを切るチャンスはすでに失った。
民主党の友党である国民新党の亀井代表代行は、西松建設の巨額献金事件に絡む小澤代表の進退について「潔白で検察が間違えたとどんなに言っても世間の雰囲気は変わらない。党のために身を捨てて空気を変えないと次期衆院選はほぼ負けだ」と斬り捨てる。百戦錬磨の亀井氏の言うことだけに説得力がある。
だが現実には名古屋市長選で勝ち、多少でも民主党の党勢が上向けば、小澤代表の辞任は難しくなる。亀井氏がいう小澤氏の自発的辞任は消えるのではないか。来るべき総選挙で小澤民主党が地滑り的な勝利をおさめれば、岡目八目の選挙予測も陰を潜めるかもしれないが、さてどうであろう。
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3204 小澤辞任カードは消える 古沢襄

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