日本の安全にとって中共は永遠に脅威である。独裁をやめて普通の国にならぬ限り、脅威であり続ける。
中共が独裁をやめないのは、タガが外れれば確実に四分五裂して緩やかな連邦国家になってしまうからである。軍隊は基本的に米国の州兵のように分散されるから軍の幹部はそれを求めない。
「政権は銃口から生まれる」と言って中共ができたが、軍幹部は「中共の今後の成長発展も軍事力から生まれる」と信じているからどうしようもない。軍部に中共が引きづり回されているのである。
「人民網日本語版」2009年3月26日はこう報じている。
<周辺国は、中国が空母建造の意思を一層鮮明にしたことに高い関心を示している。最も敏感に反応している国は日本だろう。梁光烈国防部長の「永遠に空母を持たないというわけにはいかない」発言を受け、日本政府が対応策に腐心しているとの報道があった。
注意すべきは、日本はすでに「準航空母艦」を実戦配備しているということだ。現行憲法の下で空母を保有できない日本は18日、ヘリコプター搭載型駆逐艦「ひゅうが」(排水量1万3900トン級)を実戦配備した。「ひゅうが2号」を建造中との報道もある>
「ひゅうが」はヘリコプター対潜空母のようだが、ジェット戦闘機を多数載せる空母とは攻撃能力は雲泥の差だ。「ひゅうが」を「準航空母艦」と言うことによって自らの空母建造を正当化しようとしている。共産主義者の常套手段である。
カート・キャンベル博士(新アメリカ安全保障センター代表)は昨年5月、米上院外交委員会で「中国軍の近代化について」こう述べている。
<人民解放軍は中国の国境を越えて展開できる緊急対応部隊を強化し、そして海軍は長距離攻撃とミサイル防衛システム、より機密性が高く作戦上効率的な潜水艦能力を確保した。
中国海軍は、74の主要な戦闘部隊、57隻の攻撃型潜水艦、55隻の中級・重級艦船、49機の沿岸ミサイル哨戒機を持っている。「水平線を越えて」目標を攻撃する能力を高めており、新しいレーダーを装備し、新しいSSBN(晋級、弾道ミサイル原子力潜水艦)を開発して近く配備する>
この発言に遡る昨年2月に米国海軍軍事大学のピーターA.ダットン准教授(中国海事研究所)は米中経済安保調査委員会でこう語っている。
<中国の長期の戦略的な関心は、その地理的位置に注がれている。中国本土は千島列島から南シナ海の群島まで中国の海岸線に沿って走る島嶼群に囲まれており、それが中国の作戦上の広域空間で、そこで合法的に航行する外国軍のプレゼンスと争うことになる。
いかなる将来の対立になっても、中国の合法的かつ自由な作戦行動を制限するかもしれない日本との領土問題における妥協よりは、むしろ中国本土からアメリカ軍基地のある沖縄まで、つまり東シナ海全域での領有権主張を維持することは、中国の軍事上の利点であるかもしれない>
中共は東シナ海における戦争を着々と準備しており、空母は攻撃的な中共の軍事力を飛躍的に向上させることになる。強者はパワーバランスが崩れて自分に有利だとなれば戦端を開く。弱者はそれなりの反撃力を維持して強者にリスクを常に危惧させることで戦争を抑止する。
中共の空母建造へ明確な対抗策を打ち出さないと日本は禍根を遺すことになる。ここはステルス性の高い戦闘機の自主開発で脅す場面である。「既にF22に匹敵する基本的な技術はある、2、3年で実戦配備できるだろう」と中共にメッセージを発するべきだろう。
「ブラフかどうか、やってみますか? 間もなく5月27日、海軍記念日です。リメンバー・バルチック艦隊、最強のロシアの虎の子の軍艦が海の藻屑と消えましたっけ」と脅すくらいの気概がなければ戦う前から負けである。踏ん張れ、太郎!
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