GHQの最高権力者マッカーサーは日本占領と同時に厳しい言論統制をしき、マスコミはすべて検閲されたことは今ではよく知られている。しかし、当時、国民はその事実をまったく知らなかったから、「マッカーサーは新日本の救世主」だと刷り込まれたのは仕方なかったかもしれない。
占領から年が明けた昭和21年1月1日、マックはマスコミを通じて国民向けメッセージを流す(強制的に掲載させる)。
<〔米軍総司令部渉外局発表〕マッカーサー元帥は日本国民に対して次の如く声明した。
新しき年は来た、新年とともに日本にとっては新しき暁が訪れた、未来は最早少数者の手によって設定されることはない、軍国主義、封建主義、心身に加えられた強権による規制――これらの枷は取り除かれた、
思想統制と教育の悪用は最早存在しない、すべての人間は今や何等不当の抑制を受けることなく、信教の自由と言論の権利を享有し集会の自由も保障された、この国家的奴隷の除去は人民の自由を意味するが、同時に人民に対して各個人が自発的に考え、かつ行動すべき個々の責任を課するものである。
日本の大衆にとっては今や自ら統治する権利があり、またすべて自後なすべきことをなさねばならぬとの事実に目覚めることが必要である。新年が日本人民にとってその踏むべき道と真実と光明との第1歩にならんことを希望する>
毎日新聞の紙面ではこのメッセージは新年号のトップ扱いでマックの写真入り。そうすることをGHQから強制されたのだ。2番目の記事は天皇陛下の、いわゆる「人間宣言」の詔書だった。マックは天皇を超えた存在だった。
それにしても厳しい言論統制を行ないながら「信教の自由と言論の権利を享有し集会の自由も保障」などと嘘八百をよくも言えるなあ。
こうした統制、検閲をマスコミは知りながら哀しや、GHQに距離を置くどころか、なんと積極的に迎合してみせるのである。「自由への道・ポ宣言の履行」「侵略主義への呪詛」と占領政策を嬉々として呼び込んでいる。
えげつない言い方だが強いものには股を開くのだ。敗戦とはそういうこと。
今から見ればまるでチンドン屋だが、その時に小生がいたら阿Qのように平和の旗を振って町内を駆け巡っていただろうから責められやしない。この年の11月、マック憲法公布。異民族支配には巨大な軍事力と強烈なウソが必要なのだ。
哀しいのは未だにマック仕込みの「正義と平和に徹する武装なき大国家の建設」を信じて普通の国の軍隊を否定し続ける人々がいることである。大東亜戦争を侵略戦争と刷り込まれたままの自虐屋が跋扈していることである。GHQの焚書坑儒と憲法改悪の傷はあまりにも大きい。
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3233 嘘つきマックと踊る国民 平井修一

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