3237 ロシアの北朝鮮説得は失敗 古沢襄

ロシアのラブロフ外相が北朝鮮を訪問したが、説得に失敗した。この訪問はロシア側と北朝鮮側の双方の情報を突き合わせて判断する必要がある。
モスクワに戻ったラブロフ外相は「核問題について話し合う6カ国協議に北朝鮮が復帰するよう説得したものの失敗に終わった」と述べた。ロイター通信社がモスクワから伝えてきた。
北朝鮮側はラブロフ外相がメドベージェフ大統領の金正日総書記宛のに親書を金永南最高人民会議常任委員長に渡したと短く伝えただけである。北朝鮮の朝鮮中央通信が伝えている。
外交的な通例からいえばラブロフ外相は金正日総書記を表敬訪問し、その場でメドベージェフ大統領の新書を渡さねばならない。友邦であるロシアから一国の外務大臣が大統領の親書を携えて訪問してきたのだから当然の礼儀であろう。
ラブロフ外相は五年前の2004年にも訪朝している。その時には金正日総書記と会談している。
何故、金正日総書記はラブロフ外相と会わなかったのか?韓国の代表的な通信社・聯合ニュースは、①6カ国協議への不参加や核施設再稼動など以前に提起した強硬路線を貫く考えを外部に強調するため②あるいは金総書記の健康問題のためとみられている・・・と解説している。
いずれにしてもロシアの説得が稔らなかったことだけは間違いない。北朝鮮はひたすら孤立化の道を突き進んでいる。
[モスクワ 24日 ロイター] 23日に北朝鮮のピョンヤンを訪問したロシアのラブロフ外相は24日、核問題について話し合う6カ国協議に北朝鮮が復帰するよう説得したものの失敗に終わったことを明らかにした。
RIA通信によると外相は「北朝鮮は6カ国協議の再開の用意ができていないが、ピョンヤンでのわれわれの要請は伝わったと期待する」と語った。
外相はまた韓国ソウルで、北朝鮮に対し衛星打ち上げの際、ロシア領内で同国ロケットを使用するよう提案したと述べた。
(ソウル24日聯合ニュース)北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、ロシアのメドベージェフ大統領が金正日(キム・ジョンイル)総書記に親書を送ったと報じた。
通信によると、23日に訪朝したロシアのラブロフ外相は24日に万寿台議事堂で金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会った席で、メドベージェフ大統領の親書を手渡したという。ただ、親書の具体的な内容は紹介されていない。
親書を携えて訪朝したことから、ラブロフ外相は金総書記との面会を推進したものとみられるが、面会は実現しなかった。金総書記が面会を避けたのは、6カ国協議への不参加や核施設再稼動など以前に提起した強硬路線を貫く考えを外部に強調するため、あるいは金総書記の健康問題のためとみられている。(聯合)>
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