産経新聞の二つの記事はなかなか読ませる。民主党の小沢代表は千葉県知事選と秋田知事選の連敗で予定していた党独自の選挙情勢調査を延期した。そして勝つ予想をしていた名古屋市長選後、月内に調査を行うとしていた。
これは党代表の判断として容認されていい。民主党にとって不利な時期に調査をしても得るものは何もないからである。だが小沢代表の下では選挙を戦えないと不安視している党内の小沢批判派には不満が残った。これも、また当然である。
そこで名古屋市長選後の選挙情勢調査に党内の注目が集まった。しかし小沢代表は記者会見で調査をまままた延期すると述べた。しかも調査結果は公表しないという。
その背景には名古屋市長選で河村たかし氏が地滑り的な勝利を得たににもかかわらず民主党の支持率が伸びない事情が影響していると思う。逆に麻生内閣の支持率がジリジリと回復傾向にある。
だが二度にわたって調査を延期したのは、それだけで民主党にとって打撃を与えるマイナス材料となった。調査を公表しないのなら、わざわざ予告する必要もあるまい。明らかに計算ミスといえる。
今度は民主党内の小沢批判派が納まらない。産経新聞によれば、党内の反小沢勢力の有志議員らが、小沢氏の辞任を求める「連判状」作成を検討しているという。この二つの記事はリンクしている。さて、小沢氏はどう出るか。
<民主党の小沢一郎代表は28日の記者会見で、次期衆院選に向けた党独自の世論調査について、当初予定していた今月中の実施を見送ったことを明らかにした。
西松建設の違法献金事件や、自身の進退問題にかかわる報道が続いていることから、「公正な数字が得られない。適当な時期にやる」と述べた。(産経)>
<西松建設の違法献金事件に伴う小沢一郎民主党代表の進退問題で、党内の反小沢勢力の有志議員らが、小沢氏の辞任を求める「連判状」作成を検討していることが28日、分かった。水面下で署名集めを進め、大型連休明けにも動きを本格化させる。小沢氏は同日の記者会見で、代表続投の意思を改めて示したが、署名者の顔ぶれや数によっては、窮地に追い込まれる可能性が出てきた。
署名集めを検討しているのは、小沢氏と距離を置く中堅、ベテラン議員ら。若手にも次期衆院選への影響を懸念し、小沢氏の早期退陣を望む声があるが、ある中堅は「若手に決起させるとリスクがある。われわれが動いた方がいい」としている。
また、渡部恒三最高顧問は28日、国会内で記者団に対し「次期衆院選は今の態勢では勝てない」と述べ、小沢氏が早期に辞任すべきだとの考えを重ねて強調した。だが党内には、「小沢氏は渡部氏の意見は気にかけていない。菅直人代表代行か鳩山由紀夫幹事長が説得しないと無理だ」(別の中堅)との見方が強い。このため、「連判状」の提出先は、菅氏か鳩山氏が検討されているという。
小沢氏は28日、党本部で記者会見し、自身の進退問題について「いろんな意見があることは風の便りに聞いている」と、辞任論があることを認めたうえで「(次期衆院選で)国民の信頼を必ず獲得できると現時点では思っている」と、代表辞任を改めて否定した。(産経)>
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