次の画期的電子機器は米国とドイツからやってくる。eリーダー(電子書籍、新聞読み取り機)開発に遅れをとった日本。
▲eリーダーの登場は時代を画期する?
アマゾンが開発中の新製品「eリーダー」(電子書籍読み取り機)は次の市場を席巻する可能性がある。ドイツのドレスデン工場で生産され2010年にデビューする。
iポッドは携帯であらゆる情報を入手でき、かつメール通信も出来るスグレモノ、これからの主流と言われる。
もうひとつ。アマゾンの新製品「カインドル」(業界では「アマゾン・キンドル」と呼ぶ向きもある)は世界中の書籍をあらゆる言語で携帯スクリーンに読み込む装置、それも予測価格は480ドル程度、この夏にアリゾナ州やプリンストン大学で実験が始まる(フィナンシャル・タイムズ、2009年5月6日付け)。
「eリーダー」は要するに携帯スクリーンで新聞、雑誌が読めるというシロモノ、米国の新聞雑誌発行の各社は大きな期待を込めて、この新製品の普及を見つめている。
大学ノートの大判サイズのスクリーンに新聞が即座に現れ、それをテレビを見るような気軽さで読める。電車の中でも行楽地でも、リゾートホテルのプールサイドでも。まさに画期的発明だ。
▲読者減をこれで食い止める?
新聞各社は不況で読者減少という現実を前に少しでも若者層の読者が将来拡がる可能性があるとすれば、アマゾンの新製品に期待せざるを得ず、げんにニューズコープ(ウォールストリート・ジャーナル等を発行)やNYタイムズなどは試作品と実験配信に極めて協力的である。
英紙『フィナンシャル・タイムズ』のCEOジョン・リディングも「大いなる関心があり、同時に迅速なる発展を期待している」と絶賛している。
「アマゾンの想定では58の新聞と契約し月極の購読料をウォールストリート・ジャーナルは9ドル99セント、NYタイムズが13ドル99セント、雑誌『ニューヨーカー』は2ドル99セントを予定しているという」(ヘラルドトリビューン、09年5月5日付け)。
筆者に言わしめれば、これは活字とデジタルの融合であり、新時代にふさわしい実験となるだろう。
世代間の感性や認識ギャップをこえて新文明のもとのメディアのあり方を左右するターニング・ポイントとなるかも知れない。
とはいえ新製品に追いつけない人はどうするか?
なんの心配もありません。いまでもパソコンにたよらず万年筆で評論する花田紀凱氏、加瀬英明氏や愛用の万年筆で小説を書いている北方謙三、中村彰彦氏らが健在であるように。打ち込みは技術者が分業するようになるでしょう。
♪
(読者の声1)現在『日本経済新聞』に連載中の「私の履歴書」は建築家・磯崎新氏ですが、五月2日付の記事では磯崎氏の父親の子供時代の友達として林房雄先生と三浦義一氏が紹介されていたのを興味深く読みました。
林房雄先生のことを「マルクス主義に傾倒して東大新人会のリ-ダ-になりながら、超国家主義に転向した」と説明していましたが、超国家主義という言葉は不適当ですね。
右翼、超国家主義、国家主義、軍国主義、日本主義、天皇制ファシスト等と民族派に対する左翼用語のレッテルには数限りありませんが。
ところで宮崎さんの国際ニュ-ス・早読みの5月1日付で豪州の軍備強化を述べられた文章で「へり搭載水陸両用戦艦」とか「戦艦(7000頓クラス)」という表現が出ていましたが、これはWarship(軍艦)の誤訳ではありませんか。
戦艦(Battleship)は現在世界で現役では一隻も存在しません。米国のNew Jersey classは既に退役していますし、わが戦艦三笠は記念艦となっています。
軍艦の呼称(巡洋艦、駆逐艦等々)は世界共通ですが、自衛隊だけは「護衛艦」という日本国内でしか通用しない呼び方をしています。外国ではDestroyerとかFrigateなどですね。今年就役した「ひゅうが」も日本ではヘリ搭載護衛艦ですが、外国ではヘリ空母もしくは強襲揚陸艦とみなされています。
日本の国防は言葉のあそびに終始しているといっても過言ではありません。ナンセンスの極みですね。(武蔵杉並住人)
(宮崎正弘のコメント)勉強になりました。磯崎さんも的外れな時代感覚をお持ちのようですね。
そういえば林房雄は和紙の原稿用紙に筆で小説を書いた最後の文士でしたね。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
3305 電子書籍読み取り機が市場を席巻する 宮崎正弘
宮崎正弘
コメント