ヨーロッパで最も高齢化が進んでいるイタリアとほぼ同水準にあると言われてから何年か経った。今では日本は世界でもっとも高齢化が進んだ国になったのだろう。
国立社会保障・人口問題研究所が「日本の将来推計人口」を発表していたが、日本は2015年に団塊世代がすべて65歳以上になるから、さらに高齢化が顕著になるという。あと6年後のことである。
戦争が終わって平和な世の中になったのが1945年。外地から日本人が引き揚げてきて、世の中が落ち着いた1949年の出生数269万663人にのぼった。2007年の出生数106万2604人の約2・5倍になる。
1947年から1949年までの三年間の出生数は約800万人といわれている。日本の人口構造のうえで団塊の世代と呼ばれ、また第一次ベビーブーム世代と呼んでいる。
この団塊の世代が父親や母親になって、第二次ベビーブームの時代がきた。1971年から1973年にかけて人口が急増して、三年間の出生数は約800万人。とくに1973年の出生数は209万1983人となった。
日本の出生数が200万人前後で推移していれば、平均寿命が伸びても極端な高齢化のカーブは描かない筈だが、実際には未婚男女が増えて、子供も一人か二人の家が多くなっている。2007年の106万人というのが続くであろうし、100万人も切る日が来るのではないか。
あと6年後の2015年にはた第一次ベビーブーム世代がすべて65歳になる。さらにおおよそ20年後の2035年には第二次ベビーブーム世代が65歳になる。高齢化が二度にわたってジャンプすると言っていい。
このパターンをみると第二次ベビーブーム世代が父親や母親となる2,30年後に第三次ベビーブームが来なかったのが解せない。1990年代にあっても良かった筈である。それが来なかった。
それには理由がある。1974年を境にして、日本は少子化へと進んでいる。少なく生んで、賢く育てる風潮が高まったのは、第一次オイルショックによって高度経済成長に終止符が打たれたことが影響したという。1974年7月の第1回日本人口会議・大会宣言で「子供は2人まで」のスローガンが盛り込まれた。
バブル崩壊によって少子化が加速されたのかもしれない。
このままでは2050年には人口は一億人を切ると予想されている。少子・高齢化が日本の将来に暗い影を落とすと言われてきたが、一億三〇〇〇万の人口がある現在では、危機感を深刻に考える事態には至っていない。
だが、現実の動きは将来に対する不安から、もうベビーブームの時代は来ないということであろう。そんな中で迎える2050年の日本はどうなるのだろうか。喜寿を迎えた私は、当然、生きていないが、孫のことを考えると思わず考え込んでしまう。
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