小沢一郎氏の天敵は”検察”。代表を辞任した後も検察との戦いは続く。そこにさらに”マスコミ”という天敵が加わった。どの新聞もテレビも、小沢氏は鳩山幹事長を後任の定めて”院政”を敷くと囃し立てている。
院政の”イ”の字も言っていないのにと、さぞかし腹が立つ毎日であろう。だが、火のないところに煙は立たない。鳩山氏は”親小沢”を標榜して多数派工作に余念がない。
毎日新聞の世論調査によれば、国民の多くは岡田副代表が後継の代表に相応しいと思っている。岡田氏25%、鳩山氏13%の数字が、それを示している。
”非小沢”の岡田氏が代表になれば、来るべき総選挙で民主党の勝機が十分に出てくる。自民党が怖れているのは、それである。”親小沢”の鳩山氏が代表では、僅差であっても自民党に勝機が残る。
ここは政権交代を目指すなら、過去のいきさつは捨てて、小沢氏の号令ひとつで約50人といわれる小沢グループを岡田支持にまとめる離れ業も可能ではないか。自民党に一泡吹かせ、院政を囃し立てるマスコミにも一矢を報いることになる。
政界の仕掛け人・小沢の名を残すことにもなる。千載一遇の好機を逃すことになってはいけない。
小沢氏の周辺に知恵者がいないものか?あえて逆流に棹さすこともあるまい。だが、現実はどうか?あまり期待できないというのが、今の流れではないか。
<毎日新聞は12、13日、民主党の小沢一郎代表の辞任表明を受け緊急の全国世論調査を実施した。7人の国会議員名を挙げて後任の代表にふさわしい人を聞いたところ、岡田克也副代表との回答が最多の25%で、鳩山由紀夫幹事長の13%を上回った。
小沢氏に対しては、公設秘書の政治資金規正法違反事件に関する説明責任を十分果たしたと「思わない」との回答が83%に上り、辞任表明後も厳しい見方が続いていることを示した。麻生内閣の支持率は前回調査(4月10、11日)から3ポイント増の27%だった。【西田進一郎】
小沢氏の後任代表については両氏のほか、菅直人代表代行12%▽前原誠司副代表8%▽長妻昭政調会長代理5%と続いた。選択肢の中にいないとの回答が29%あったものの、代表選は鳩山、岡田両氏の一騎打ちの様相となっており、世論調査では岡田氏が鳩山氏の2倍近くに上った。
次期衆院選で民主党に勝ってほしいと答えた人に限ると33%が岡田氏を選んでおり、政権交代を志向する人の中では岡田氏への期待感が比較的強いと言えそうだ。
小沢氏が「政権交代実現に向け、自ら身を引くことで党の結束を強固にする」との理由で辞任したことについては「評価する」49%、「評価しない」47%と二分された。一方、公設秘書の起訴(3月24日)から1カ月半後の辞任表明は、「遅すぎた」との回答が66%を占め、「辞める必要はない」との擁護論は17%にとどまった。
支持政党別でみると、民主支持層では辞任を「評価する」が63%に達し、「辞めるのが遅すぎた」が48%、説明責任を果たしていると「思わない」も69%を占めた。事件が衆院選に与える影響を懸念し、小沢代表の辞任を歓迎する雰囲気があることがうかがわれた。
◇内閣支持率微増 27%
2月の調査で11%まで落ち込んだ内閣支持率は3月に小沢氏の公設秘書が西松建設の違法献金事件に絡んで逮捕されて以降、上昇に転じ、今回、27%まで回復した。しかし、不支持率は52%となお半数を超え、麻生内閣は低空飛行の状態を抜け出していない。
政党支持率は自民27%、民主24%で、自民が民主を上回ったのは麻生内閣発足直後の08年9月調査以来。
一方、「次の衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいか」の質問では、民主党が前回比3ポイント増の45%、自民党は2ポイント増の34%だった。昨年10月以降、一貫して民主党が自民党を上回っており、2月調査で29ポイントあった差は前回10ポイントまで縮んだものの、今回は11ポイントとほぼ変わらなかった。西松事件を契機とした自民党の追い上げムードも、小沢氏の辞任で頭打ち状態と言えそうだ。(毎日)>
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