ロシア国内に蔓延するネオナチ運動はプーチン路線より右より。すでにメンバーは20万人、アルカィーダに組織論が酷似。テロ活動に重点。
ロシア内務省の「テロ対策報告」は意外な事実を伝えている。
ロシア国内にネオナチ運動が猖獗を極め、教会、鉄道、外国レストラン爆破ならびに政敵の暗殺を繰り返しており、プーチン政権への脅威となっているというのだ。
テロリストの活動家は、10000名と推定され、多くのセクトに別れている。シンパを含めたネオナチのメンバーは二十万人と推定されている。
猖獗を極めるのはプーチン出身のサンクト・ペテルブルグ。基本路線はプーチンの愛国主義より過激で、祖国のため、子孫のため、母国のために自己犠牲を惜しまずとする。スターリンを崇拝し、プーチン路線では物足りないという考え方に基づくとされる(ISNニュース、5月20日付け)。
テロ、暗殺などの暴力行為で派閥を拡げ、その組織論はアルカィーダの遣り方に近いと内務省は分析している。
内務省報告は、「過去のテロ事件は彼らの仕業」としている。
03年4月6日、サンクトペテルブルグのマクドナルドが襲撃された。07年2月18日にも再襲撃され、店が爆破された。
04年6月19日、ネオナチの過激主義者ニコライ・ギレンコがサンクトペテルブルグで暗殺された。
05年、列車爆破事件がおこり、10名が死亡、39名が重症をおった。同年にサンクトペテルブルグのロックコンサート会場襲撃未遂。ことし09年1月19日には教会、鉄道駅同時爆破未遂で相当数の活動家が逮捕された。
主要グループは「シュルツ88」と呼ばれ、ユリ・ベルヤエフという人物が指導者。
「シュルツ88」の由来は、ロシア語のアルファベットで8番目はH.そのHが重なりHHは、「ハイル・ヒトラー」の暗号という。
日本では殆ど知られていないが、ファシズムへの足音がロシアから聞こえる。
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3368 スターリン崇拝のネオナチ運動 宮崎正弘

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