NHKが急速に近代化と拡張を進めているインドの軍事力の実態を報道していた。核保有国のインドだが、隣国のパキスタンに較べれば、旧式の通常兵器しか持っていないと思っていた。
早速、ミリタリーバランス2003~2004版などを開いてみると、インドの軍事力は、世界有数の規模になりつつある。陸上戦力が、12個軍団・110万人。海上戦力が、2個艦隊・150隻・32万6000トン、空母1隻(その他1隻建造中・1隻ロシアからの譲渡予定)。航空戦力が、19個戦闘航空団・作戦機830機。
インドは軍事力を強化している中国を意識している。また米国の海軍力がインド洋で弱くなっていることから、自前の海軍力を強化してインド洋のシーレーン支配を目指した軍拡路線に切り替わっている。ミリタリーバランスによる海軍力の比較でもトルコ、ドイツ、スペイン、オーストラリア、韓国を上回る世界第7位。
1 米国 548.1万トン 990隻
2 ロシア 206.0万トン 760隻
3 中国 93.4万トン 740隻
4 英国 79.0万トン 250隻
5 日本 41.4万トン 150隻
6 フランス 38.9万トン 260隻
7 インド 32.6万トン 150隻 (ミリタリーバランス2003~2004)
空軍力を見てみる。インドは米国、中国、ロシアに次ぐ作戦機を保有している。それもレーダー機能に劣る旧式機から新型戦闘機に切り替えが進んでいる。しかも近い将来に空母三隻体制をとるため艦載機の強化に余念がない。
1 米国 3470作戦機
2 中国 2400作戦機
3 ロシア 2150作戦機
4 インド 830作戦機
5 エジプト 640作戦機
6 北朝鮮 610作戦機
7 韓国 600作戦機
8 フランス 570作戦機
9 シリア 560作戦機
10 トルコ 530作戦機
11 台湾 530作戦機
12 イスラエル 490作戦機
13 ウクライナ 480作戦機
14 英国 480作戦機
15 日本 470作戦機(ミリタリーバランス2003~2004)
このようなインドの軍拡路線に対して、米国は協力的な姿勢をみせている。ひとつにはロシアの影響力が強いインドを米国に惹きつける戦略、もうひとつは中国に対する牽制のパートナーとしてインドを見ているからであろう。
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3385 インドの海軍力・航空兵力の強化 古沢襄

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