3411 愚直な人の愚直なリビドー 平井修一

裁判官が被告に対して判決で「これからは愚直に生きてください」と説諭したそうだ。広辞林によれば愚直とは「正直だが才能がないこと。馬鹿正直」とある。愚直に生きると人生をしくじりそうだが、「正直に生きろ」というならそう言うだろうから、この裁判官は「馬鹿がつくくらい正直に生きよ」と言っているつもりのようだ。
それなら「心から正直に生きなさい」と言えばすむものを、多分この裁判官は「愚直」をいい表現だと思い込んでいるのだろう。裁判官には社会的常識や良識が欠けている人が多いというのは、こういうことだろうか。
愚直な裁判官が多いのだろう。
世の中は「嘘とエゴを搗き固めたところ」という話があるが、この乱麻を断って運営しているのが「腹黒い行政官僚」と「私服を肥やす立法家(政治家)」と「愚直な裁判官」なのだろうか。上に政策あれば下に対策ありで、市井の民はこいつらに操られないようにうまくやるしかないので、「騙し騙される七転八倒」の世界が繰りかえされることになる。
バトルには海千山千のビジネスマンと愚者から賢者までの有象無象の老若男女がかかわるから、世の中は一筋縄では行かない。人生、世の中は不可解なり。
景気の先を読むのさえすこぶる難しい。人間のマインドによる要素が大きいからだ。評論家は「結果」にたいしてはあれこれしたり顔で評論するが、昨年末に「5月で日経平均株価が9500円まで戻す」と予測した人は、小生の知る限り一人もいない。錚々たるアナリスト、シンクタンクのほとんどがはずした。
●日本総合研究所:09年末の予想株価は「6500~7500円」。
●みずほ総合研究所:09年度下期の日経平均株価は9100円
●第一生命経済研究所:09年末の株価予測は「9500円程度」。
1ドル95円を予想した人もほとんどいない。
●日本総合研究所:75~85円(09年12月末)、円高基調。
●みずほ総合研究所:97円(09年度予測)、やや円安。
●三菱UFJリサーチ&コンサルティング:99円(09年度下期)、円安基調。
●野村証券金融経済研究所:100円(09年度)、円安基調。
●大和総研:92円(09年12月中平均)、ほぼ横ばい。
●第一生命経済研究所:95円程度(09年12月末)、やや円安。
●ニッセイ基礎研究所:90円(09年10~12月)、ほぼ横ばい
●農林中金総合研究所:93円程度(09年度予測)、ほぼ横ばい。
経済情報大手のブルームバーグ・ニュースのコラムニスト、マシュー・リン氏が、景気動向は「英国の浮気相手紹介サイトのアクセス動向とラトビアの売春婦の値段が指標になる」という話を紹介している(5月27日)。
<信頼できる景気のバロメーターとして最近提唱されたこの2つは、注目に値する。エコノミストはしばしば、景気循環の歯車を回すのに「アニマル・スピリット」が一役買っていると指摘する。しかし、どうやってこのスピリットを測定するかの説明はほとんどない。この2つが答えかもしれない>
専門家がみんな予測をはずしているから「アニマル・スピリット」を見るしかないというのだ。
<世界はトラウマを体験しつつある。景気の方向を予測するための伝統的な手段はどれも、ほとんど無効だった。標準的なモデルのどれ1つとして、私たちが大恐慌以来の深刻な危機に向かっていることを2年前に示しはしなかった。一部の人が代替の手法に目を向けたとしても驚くには当たらない>
もちろん冗談だが、ムードやマインドに流される景気というものの動向にはおそらくは「愚直なリビドー」も影響しているというのは半分真実かもしれない。景気を知るには売春街、風俗街へ行くのが近道かもしれない。
経団連は予測はずしまくりのアナリストを集めた軽井沢セミナー&ゴルフではなく「吉原ソープ嬢に学ぶ体験セミナー&19番ホール」を企画したほうがいいのではないか。よければ小生が企画手配するぞ。
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