3423 ICBM発射なら迎撃し得る 古沢襄

ゲーツ米国防長官は四月のテポドン発射前には「米国は北朝鮮のミサイルを迎撃する計画はない」と鷹揚に構えていたが、北朝鮮が重ねて大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の動きをみせているので、国防総省内部から迎撃論が出ている。
ICBMの発射は米韓首脳会談が予想されている六月十六日前後というのが韓国筋の予測。にわかに緊迫度を強めている米国防総省の空気について、ワシントンから朝鮮日報が次の様に伝えてきた。
<北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の動きを見せていることと関連し、米国防総省は北朝鮮の長距離弾道ミサイルが米国本土に到達する前に地上配備型迎撃ミサイル(GBI)で迎撃できる、と語った。
米国防総省のチャールズ・マックアリ運用試験評価局長は先月29日、ブルームバーグ通信のインタビューに答え、「実際に迎撃できると信じている。実際に迎撃できる可能性は“極めて高い”とは言えなくとも、“迎撃できそう”とは表現できる」と語った。
マックアリ局長は「もし北朝鮮が米国に向け1発か2発のミサイルを発射した場合、ただじっと座って“われわれが迎撃ミサイルを発射できる十分な資料があるべきなのに”と考えてばかりはいない。
われわれは迎撃ミサイルを発射できる」と語った。さらにマックアリ局長は、北朝鮮が米国本土に向けミサイルを発射したという仮定の下、ミサイル迎撃の可能性を高めるため複数の迎撃ミサイルを発射し得ると語った。
米国の「迎撃シナリオ」には、3段階からなる米国のミサイル防衛(MD)システムのうち、中間段階に当たる「地上配備型ミッドコース防衛システム(GMD)」が採用されている。これは人工衛星やレーダー、通信ネットワークを迎撃ミサイルと連携させるもので、1999年以降13回の迎撃実験が行われ、このうち8回成功している。
米国は現在、アラスカのフォート・グリーリーとカリフォルニアのバンデンバーグ空軍基地にボーイング社が製作したGBI28基を実戦配備しており、金額にして355億ドル(約3兆3800億円)規模になる。
今年4月に北朝鮮がテポドン2号の試射を行う前、ロバート・ゲーツ米国防長官は、「米国は北朝鮮のミサイルを迎撃する計画はない」と語っていた。(朝鮮日報)>
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