3444 長男・金正男氏が中国に亡命か 古沢襄

韓国の朝鮮日報がマカオに滞在している北朝鮮の金正男氏が事実上の亡命状態にあるという観測記事を書いた。これに関連して産経新聞は金正男氏に近い人物が相次いで逮捕されているとし、同じ様な見方を示した。
<北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者に、三男・正雲(ジョンウン)氏(26)が選ばれた、と報じられている中、マカオや北京に滞在している長男の正男(ジョンナム)氏(38)が事実上の亡命状態にある可能性があるとの見方が出ている。
産経新聞は5日、正雲氏を中心とした新たな体制を構築する過程で、正男氏と親しい人物が相次いで逮捕されており、こうした動きを「権力移譲に伴う粛清」と判断した正男氏が帰国を自粛しているとの見方を示した。
同紙は「韓国などの情報関係者」の話を引用し、4月3日午後8時ごろ、平壌で正男氏の複数の側近が逮捕され、さらに同月7日にも別の側近が逮捕された、と報じた。
また、正男氏は同月4日、北京に滞在している第1夫人の崔恵里(チェ・ヘリ)氏に電話をかけ、「昨夜、同級生が連行された」と伝えたほか、7日には第3国にいる側近に電話をかけ、「最近、わたしの周辺の人たちが国家安全保衛部に連行されるなど、尋常でないことが相次いでいるため、当分の間平壌には戻らない」と話したという。
同紙はまた、金総書記の義弟の張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長が3月初旬、正男氏、次男の正哲(ジョンチョル)氏(28)、正雲氏に対する面接調査を行い、その直後に正雲氏が後継者に内定した、と報じた。
正男氏の側近らに対する「粛清」はその直後に始まったという。なお、正男氏は金総書記の誕生日の2月16日に平壌入りしたのを最後に、北朝鮮には戻っていないとされている。
フジテレビもこの日、韓半島(朝鮮半島)の問題に詳しい消息筋の話を引用し、正男氏の側近らが通貨偽造などの疑いで相次いで逮捕されている、と報じた。だが、どの国の通貨を偽造したのかについては明らかにしなかった。
フジテレビはまた、北朝鮮当局が正男氏と関連のある場所を捜索し、正男氏に対する送金を中止すると同時に、正男氏が現在、父親の金総書記と自由に連絡を取ることができない状態にあると報じた。
一方、米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)でアジア担当補佐官を務めたデニス・ワイルダー氏が5日に語ったところによると、米国は昨年末から、金総書記が三男の正雲氏に権力を移譲する作業に着手したことを把握していたという。
ブッシュ前米大統領の下で韓半島の問題を担当していたワイルダー前補佐官は、米国国営ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで、「金総書記は昨年8月に脳卒中で倒れたが、年末には健康が回復し、現地指導を再開した。このころから後継者への権力移譲が始まったようだ」と述べた。
現在、ブルッキングズ研究所の研究員を務めるワイルダー前補佐官は、「米国は(当時から)北朝鮮が権力の移譲に着手していたことをすでに把握していた。後継者の問題は、最初から金総書記の脳裏にインプットされており、脳卒中で倒れたのをきっかけに後継者選びを急いだと考えられる」と語った。
ワイルダー前補佐官はまた、正雲氏が権力を掌握する可能性について、「金総書記が4月、国防委員会のメンバーを入れ替え、義弟の張成沢氏を国防委員に任命した。これは張氏を正雲氏の保護者か後見人として起用していこうという意図によるものと考えられる。万が一、金総書記が数年以内に死亡した場合、正雲氏の代わりに張氏が権力を握る可能性もある」との見方を示した。(朝鮮日報)>
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