当分の間、テレビ朝日は韓国メデイアの格好の餌食になりそうだ。自業自得だろう。日本のテレビや新聞よりも、韓国の朝鮮日報などの方が面白い。
<「北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男にして、次期指導者に内定した金正雲(キム・ジョンウン)氏(26)の最近の姿」と称する写真が日本のテレビで報道されたが、後になって事実ではないことが確認された。「3代世襲」という前近代的な行動で注目を集めている北朝鮮の後進性に、国際ニュースの焦点となっている正雲氏の顔を知る人がいないという北朝鮮の閉鎖性が重なり、ハプニングは起こった。
テレビ朝日は10日昼12時ごろ、「正雲氏の最近の写真を単独入手した」と報じた。しかし韓国のインターネット・ユーザーが疑問を提起し、チョソン・ドットコムが確認取材を行った結果、その写真の人物は金総書記とそっくりな韓国人だったことが判明した。
テレビ朝日が公開した写真は、白いTシャツ姿に黒いサングラスをかけた、20代と見られる男性の写真だった。その人物はがっしりした体格で、くせのある髪を短く刈り、肉付きの良い丸顔をしているなど、金総書記の若いころの容姿によく似ていた。しかしテレビ朝日は、写真を入手した経緯については詳細を明らかにしていない。
テレビ朝日は午後のニュースで、この写真に関連する報道に20分以上の時間を費やした。番組では終始、「正雲氏の最近の写真を独占入手」「世界的なスクープ」「比較的最近、外国で撮られたものとみられる」などの字幕と共に関連ニュースを放送した。これまで知られている正雲氏の写真は15年前(当時11歳)に撮影されたもので、正雲氏の最近の写真が世界の情報機関が探し求めている「ブツ」であることは明らかだ。
しかしテレビ朝日の「世界的な特ダネ」は、韓国の「サイバー捜査網」によってわずか5時間で「世界的誤報」だったことが判明した。「金正雲氏の写真」が韓国のメディアで報じられると、午後3時ごろから「わたしが見た韓国人の写真と似ているようだ」というコメントが40件余りネット上に寄せられた。ネット・ユーザーたちが注目した人物は、ポータルサイト「ダウム」で巫女の風習に関するコーナーを運営しているぺ某さん(40)だった。
チョソン・ドットコムが、ぺさんのサイトに掲載されている写真と照合してみた結果、テレビ朝日が報じた「正雲氏の写真」は、ぺさんが今年2月26日に「わたしは金総書記とよく似ていると言われる」というキャプションと共に掲載した自身の写真と同じものだった。ただしテレビ朝日で報じられた写真は、顔の部分を加工し、横幅を少し広げてあった。チョソン・ドットコムはこれと同じ写真を、韓国のメディアでは最も早い午後5時8分に報道した。
韓国メディアから疑問が提起されたことを受け、テレビ朝日は午後6時15分、ニュース速報を通じ、「韓国の報道機関から、正雲氏ではなく韓国の別の人物の写真だという指摘があり、確認作業中」と発表した。
テレビ朝日側は、「北朝鮮と関係のある人物から写真を入手した。正雲氏を何度も見たことがある人物に確認を求めた結果、90%以上間違いないだろうと言われ、報道した」と説明している。
一方、ぺさんはメディアのインタビューに対し、「問題の写真は、昨年の夏に舒川の農場に遊びに行ったときに撮った写真で、今年2月にインターネットのコーナーに掲載した。あまりに無茶苦茶な話で、こんなことがあるなんて思いもしなかった」と語った。(朝鮮日報)
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3468 テレ朝が報じた「金正雲氏の写真」の正体 古沢襄

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