3498 危機感欠如の鈍感な強がり 古沢襄

新聞休刊日だから千葉市長選で自民党が惨敗した本格的な政局分析が紙面に展開されるのは明日以降になる。テレビでは自民党の細田幹事長が「残念だ。政権への影響はあまりないだろう。(汚職事件で逮捕された)前市長が推した副市長という構図がよくなかった」と他人事のような”暢気な父さん”ぶりを伝える程度で、識者と称するコメンテーターも断片的な感想を述べ合っている。
土台、テレビという映像メデイアで毎日、何かを喋り続けることは、本格的なデータ分析をしている余裕がない。いわば映像メデイアの宿命といえる。あるとすれば様々な人たちが勝手に意見を述べあうショーでお茶を濁すしかない。しかも映像は瞬時に消え去る。影響力はあるだろうが、ただそれだけのことである。
活字メデイアの衰退がいわれて久しいが、新聞は消え去らないし、ネット情報で識者が様々な意見を活字で述べている。新聞休刊日にもかかわらず花岡信昭氏などは本格的な分析をネットで流した。また通信社には新聞休刊日がない。テレビ離れしている読者たちは、このような方法で即日、必要な情報を手に入れる時代となった。通信社情報で時事通信社は最低限の政局情報を即日、流した。
各マスコミも麻生内閣の支持率について本格的な全国世論調査の準備に入った。客観的にみて麻生内閣の支持率は大きく下がるであろう。政党支持率でも民主党が自民党を引き離すのではないか。それなのに自民党は菅義偉選対副委員長の様に「敗戦は織り込み済み」と嘯いておれるのだろうか。半世紀にわたって政権の末期現象をみてきたが、危機感欠如の鈍感な強がりというパターンは変わらない。
<与党、地方選連敗に危機感=民主、衆院選に弾み-千葉市長選
14日の千葉市長選で自民、公明両党は推薦候補が敗北し、次期衆院選への危機感を強めている。与党は政令市長選で名古屋、さいたまに続く「3連敗」。自民党は「敗戦は織り込み済み」(菅義偉選対副委員長)としているが、麻生政権へのダメージは小さくない。
今後、静岡県知事選(7月5日投開票)、東京都議選(同12日投開票)が注目され、結果次第では麻生太郎首相の解散戦略に狂いが生じる可能性がある。
自民党の細田博之幹事長は14日夜、推薦候補の敗北について「残念だ」と述べる一方、政権への影響については「あまりないだろう。(汚職事件で逮捕された)前市長が推した副市長という構図がよくなかった」と指摘。「候補者選びのミス」が敗因と強調した。
もっとも、党内からは「鳩山邦夫前総務相の辞任もあり、こんな状況では解散できない」(若手)、「都議選も負けたら総裁選前倒しだ」(参院中堅)との悲痛な声が上がった。こうした状況に、公明党幹部は「自民党の踏ん張りが利かなくなっている」と懸念を示した。
自民党は今後、衆院選の「前哨戦」と位置付ける静岡県知事選、都議選に全力を挙げるが、党内には「都議選で大敗すれば、首相は解散できず、『麻生降ろし』が本格化する」(中堅)との声もある。逆風をかわすための内閣改造論や、都議選前に首相が解散を決断する可能性も取りざたされており、首相はぎりぎりの判断を迫られそうだ。
一方、民主党は鳩山由紀夫代表が2度選挙区入りするなど千葉市長選に全力を投入。岡田克也幹事長は「新体制の下、勝利は大きな弾みとなった。総選挙で政権交代を成し遂げる」との談話を発表した。党幹部は「民主への期待感が高まっている証拠」と自信を深めており、首相への解散圧力を一層強める構えだ。(時事)>
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