畏友宮崎正弘さんのメールマガジン「国際ニュース早見」で最近「犬肉食い」論争が起きている。発端はオランダ在住の日本人Hanaと名乗る女性が、日本農林水産省の貿易統計をとらえ、中国からの犬肉輸入が増え続けている、日本人はいつから野蛮人になったのか、と非難したのに始まる。
これに対して、どんな動物を食うかは「食文化」なんだから、朝鮮半島や中国で犬を食うからと言って非難する資格は誰にも無い、との反応が有力だ。豚、牛、鹿などをたべている欧米人が日本人の鯨食いを非難するのもおかしいという反論もありそうだ。
江戸時代には日本でも薩摩藩では犬食い習慣はあったらしいが、明治にってからは牛肉を天皇陛下が食べて見せてから、わざわざ犬を食う日本人は姿を消したと思っていた。
と言ってもゲテもの食いはいるでもどこかにある。それが証拠に私の住まいに近い両国橋のたもとには「ももんじや」という猪鍋屋があり、私も記者時代、参議院議長にご馳走になったことがある。さして美味いものではなかった。
因みに「ももんじ」とは本来は獣という意味だそうだ。
愛犬家のHanaさんは非難を止めない。とくに東京都内の特定地域に居住する在日韓国・朝鮮人や中国人が主として食べるために輸入しているのであって、それを日本人が面白半分につまむ事はある程度だ、という認識は無いようだ。
しかし、私の認識は甘すぎるようだ。2008年12月の「夕刊フジ」は<「犬料理」日本人もマジィ?「マグロみたい」と注文増> と報じている。
<元厚生次官ら連続殺傷事件で、小泉毅容疑者(46)は「34年前に愛犬『チロ』が保健所に処分されたあだ討ち」が犯行動機だと供述している。一方で最近、東京都内の一部料理店では犬鍋や犬皿、犬スープなど「犬料理を注文する日本人客が増えている」(料理店関係者)という。
韓国料理店が軒を連ねる東京・新大久保では、数店が扱う。中国延辺朝鮮族自治州と取引のある貿易関係者は「主に中国東北部の朝鮮族料理店で、メニューに『狗肉』と表記されている。韓国語や中国語のフリーペーパーに広告を出しているが、10年前に比べればかなり増えた」と語る。
犬肉は朝鮮半島から中国にかけ、伝統的な食文化として今に伝わる。韓国では「補身湯(ポシンタン)」といい、野菜と一緒に煮込む料理が有名。夏バテ予防として食べられるが、最近の若い世代は口にしたこともない人も多いという。
北朝鮮では「甘肉(タンコギ)」と呼ばれ、平壌には複数の専門店が存在。観光地として知られる金剛山(クムガンサン)の外国人用レストランには「犬1匹(200米ドル)」というメニューが。中国東北地方でも一般的な料理で、市場に食用犬がつるされている光景も珍しくはない。
都内では池袋、新大久保、新宿歌舞伎町、上野などの朝鮮族料理店で、主に故郷を懐かしむ中国人向けに出されていた。メニューも中国語表記の店が多いが、新大久保には「犬肉大皿」「犬肉スープ」と、日本語のメニュー表記の店もある。
「日本人グループもよく注文しますよ。サラリーマン風の人が多い。『マグロの味に似ている』と、注文が次々にくる日もある」と朝鮮族料理店関係者。
「保健所から仕入れているわけじゃないよ」と冗談交じりに話すが、実際、みだりに犬を殺せば器物損壊罪に問われかねない。各店では、中国からの輸入精肉を使用するという。農林水産省の畜産物輸入検疫統計によると、1998年に9トンだった犬肉の輸入量は2007年には約8・5倍の77トンに増加。市場は着実に拡大しているようだ。>ZAKZAK(夕刊フジ)2008/12/06
オランダにいるHanaさんによれば中国からの輸入量は、平成17(2005)年の82トンが最高。なぜか犬肉輸入高は、1年おきに大きく増減がある。
移住中国人の多いカナダへの輸出は、農林省の動物検疫所からの連絡によると、2005年に500キロ未満、2008年度に、これはまだ統計の途中で、20キロとのこと。
日本における外国人登録者数は、平成19年で過去最高の2,152,973人。中国人が1位で606,889人。次いで韓国朝鮮の593,489人。日本総人口の1・69%。2009年1月の不法在留者は韓国24,198人。中国18,385人だそうだが、少なすぎると感じる。密入国者は含まれていない。
池袋周辺は、今や住民の1・1%が中国人だそうだ。それらにつられて日本人も四つ脚鮪を食う?悪貨は良貨を駆逐するのか。
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