3509 前立腺癌に効くかトマト 渡部亮次郎

トマトを1日に1個は必ず食べる。前立腺癌を予防するためではなく癖になっているだけ。幼時は対米戦争中、砂糖は全く輸入されず、「おやつ」といえば裏の畠に生っているトマトかきゅうりをもぎ、塩か味噌を付けて食べるしか無かったのである。
他の野菜類と同様に、トマトはビタミンCを多く含む。また、リコピンは1995年に癌予防の効果が指摘されて以来、注目を集めるようになったが、有効性に関しては「有効性あり」とするデータと「有効性なし」とする両方のデータがあり、科学的なデータの蓄積が必要である。
これはハーバード大学のGiovannucci らの研究チームが4万5000人以上の医療関係者を対象に6年間の調査を行った結果から引き出したもの。
さまざまな形態のビタミンAを含む食品の中でもイチゴと並んでトマト関連食品3種(トマト、ピザ、トマトソース)が前立腺癌の罹患率の低さと相関しているとしたもの。その後、さまざまな関連研究の引き金ともなった。
米国で最初に認可を受けた遺伝子組み換え作物がトマトである。1994年5月、FDA(連邦食品医薬品局)が承認したFlavr Savrというトマトで、長期間の保存に適した品種であった。
しかし、開発費用などを回収するために通常のトマトよりも高い価格を設定したため、商業的にはそれほどの成功を収めなかった。
植物学において、近年トマトはナス科のモデル植物として注目されている。Micro Tomは矮性で実験室でも育成が可能な系統として利用されている。
1985年に開かれた国際科学技術博覧会(つくば’85)では、地上ではトマトの実がなり、地下ではジャガイモの根茎が出来る「ポマト」という植物が出展された。
また、ジャガイモの茎にトマトを接ぎ木したものも育てられ、「ジャガトマ」と呼称される。
世界では、8000種を越える品種があるとされ、日本では農林水産省の品種登録情報ページによれば、120種を超えるトマトが登録されている(2008年5月現在)。
これは、野菜類の登録品種数の中でも、目立って多い。一方で一代雑種のF1品種は登録されないことが多く、桃太郎などの有名な品種の登録はない。
ヨーロッパへは、1519年にメキシコに上陸したエルナン・コルテスがその種を持帰ったのが始まりであるとされている。当時トマトは毒であると信じる人も多かったが、イタリアの貧困層で食用にしようと考える人が現れ、200年にも及ぶ開発を経て現在の形となった。
1793年の話。当時、アメリカは輸入の際、果物には関税がかからず、野菜には課せられていた。このため、トマトの輸入業者はトマトを「果物」と主張。農務省の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さらに果物派に植物学者も加わり、論争はエスカレート。
とうとう最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。判決は「野菜」。裁判長はずいぶん悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれた。
日本には江戸時代の寛文年間頃に長崎に伝わったのが最初とされる。青臭く、また真っ赤な色が敬遠され、当時は観賞用で「唐柿」と呼ばれていた。日本で食用として利用されるようになったのは明治以降で、さらに日本人の味覚に合った品種の育成が盛んになったのは昭和に入ってからである。
そういえば幼い頃のトマトは青臭かったが、最近はそれが無くなったばかりか、甘くなって果物に近くなった品種が多い。
トマトを用いた料理にはサラダや焼きトマトなど、そのままを味わう料理が数多くある。
手を加えた料理でよく知られているものにメキシコ料理のサルサ、イタリア料理の各種ピザ、パスタ用ソース、インドのカレーの一部、ヨーロッパのシチューの一部などがある。
中華料理でもトマトと卵のスープにしたり、中央アジアのラグマンなどに利用されている。また、日本でトマトラーメンを出す店も増えている。
このように各国で広く利用されていることの理由としては、グルタミン酸の濃度が非常に高いため「うま味」があること、「酸味」があること、などが挙げられる。
韓国ではトマトは果物の一種と考えられることも多く、輪切りにしたものに砂糖をまぶして食べるのが最も普通の食べ方である。中国ても砂糖をまぶす場合がある。
トルコの民間療法ではやけどにスライスしたトマトを塗りつけている。
総務省の平成12年(2000年) 家計調査によれば日本の1世帯当たりの年間購入量(重量)では、トマトは生鮮野菜類中5位に位置する。(平成13年野菜生産出荷統計)
また、野菜の主要品目が10年前と比べて軒並み減少または横ばい傾向にある中、トマトはネギと並んで目立った増加を見せている数少ない野菜である。出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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