朝日新聞が伝えた金正雲氏の訪中について、中国外務省は定例の記者会見で「われわれは、その件を知らない」という表現で実質的に否定した。また米ブルームバーグは中国政府系の国際問題紙・環球時報が、北京の北朝鮮大使館筋の話として「日本の報道はでっち上げられた事実」に基づいた”根拠のない報道”と伝えた。
一方、沈黙を守っていた韓国紙も中央日報が朝日新聞の記事を紹介して、北京の多くの対北消息筋は「びっくりしている。全然聞いたことがない」「北朝鮮は主体(チュチェ)を強調する。金委員長が金正雲氏を直接送って“皇太子”内定の消息を報告すれば“主体外交”ではない」と、否定情報を流した。
さて、朝日新聞はどうするか?日本でも読売新聞はじめ競争紙が、朝日の金正雲氏の訪中記事をヤリ玉にあげるだろう。
<【北京17日共同】中国外務省の秦剛副報道局長は16日の定例記者会見で、北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲氏が極秘訪中し、胡錦濤国家主席と会談していたとの一部日本メディアの報道について「この件に関する状況を承知していない」と述べ、否定的な見解を示した。
また、17日付の中国共産党機関紙、人民日報傘下の中国紙「環球時報」(英語版)は、北京の北朝鮮大使館員が「根拠のない報道だ」と否定したと報じた。
中国メディアが北朝鮮当局者に直接取材し、外国メディアの報道を否定するのは異例。(共同)>
<【北京16日時事】中国外務省の秦剛副報道局長は16日の定例会見で、北朝鮮の金正日総書記の後継者とも報じられている三男、正雲氏が訪中し、胡錦濤国家主席らと会談したとの一部報道について「われわれは、その件を知らない」と述べ、実質的に否定した。
金総書記の長男・正男氏の暗殺計画が中国当局により阻止されたとする報道に対しても、「事情を承知していない」とコメントした。(時事)>
<6月17日(ブルームバーグ):中国政府系の国際時事問題紙、環球時報は17日、北朝鮮の金正日総書記の最有力後継候補とみられる三男の正雲(ジョンウン)氏が先週、極秘裏に北京を訪問したとする日本と韓国の一部メディア報道を在北京の北朝鮮大使館が否定したと報じた。同紙は匿名の大使館員の話として、正雲氏の訪中を伝えた日本の報道は「でっち上げられた事実」に基づいたもので、「根拠のない報道」だと伝えた。
朝日新聞は16日、事情に詳しい匿名の関係者からの情報を基に、正雲氏が10日に北京を訪れ、中国の胡錦濤国家主席や共産党の王家瑞・対外連絡部長と会談したと伝えていた。(ブルームバーグ)>
<金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の後継者に内定した三男の金正雲(キム・ジョンウン、26)氏の訪中説をめぐり論難が起こっている。日本の朝日新聞は16日「金正雲氏が10日ごろ、飛行機便で北京を訪問し、胡錦濤中国国家主席と会って後継者に指名した事実を伝え、核問題も論議した」と報道した。
この席で中国側は金正雲氏に北朝鮮の3次核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射中止などを強く要請し、6カ国協議早期復帰を要求したということだ。
金正雲氏は王家瑞・中国共産党対外連絡部長らとも会って、自分が朝鮮労働党の要職である組職指導部長になったことについて説明したと、同紙は伝えた。
北京訪問を終えた金正雲氏は、広東省深センなどを訪問し、ハイテク工場などを視察したということだ。しかし秦剛・中国外交部スポークスマンは、この日の定例ブリーフィングで「中国側はこれを知らない」と明らかにした。
また北京の多くの対北消息筋は「びっくりしている。全然聞いたことがない」「北朝鮮は主体(チュチェ)を強調する。金委員長が金正雲氏を直接送って“皇太子”内定の消息を報告すれば“主体外交”ではない」と明らかにした。
一方、日本の時事通信によると、金正雲氏が留学したというスイス・ベルンの公立学校、ピーターブル校長と管轄公立学校を担当するウィリー・シュツダー区長は15日、記者会見を開き、金正雲氏に対して「金委員長の家族だといって通った人はいなかった上、バスケットボールが好きな北朝鮮外交官の子供だったと聞いていた」と明らかにした。
また「学校は彼の登録カードと写真を保管しているが、個人情報なので公開することができない」と述べた。当時、数学教師だったブル校長は「友達と仲良くしていたし、勤勉で野心を燃やす子供だったと記憶している」と述べた。
毎日新聞はこの日「当時、金委員長の末娘と同時に正雲氏の実の弟であるイェジョン(21)も近くの公立小学校で金正雲氏とともに留学していた」と伝えた。(中央日報)>
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3512 金正雲訪中を中国外務省が「知らない」 古沢襄

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