3515 ジョセフ・ナイ教授の警告 古沢襄

オバマ政権下で駐日米大使に擬せられながら外れたジョセフ・ナイ教授は、米国でも数少ない知日派で知られる。昨年12月に東京で民主党幹部と会談して「オバマ次期政権下で(日本の)民主党が安全保障政策でインド洋での給油活動をやめ、日米地位協定などの見直しに動いたら反米と受け止める」と警告した。
ナイ教授の念頭には民主党政権が出来れば、韓国の盧武鉉政権の様な左派政権となり日米関係が後退する危惧があったと思われる。民主党内には前原元代表ら日米同盟を重視する勢力があるが、社民党との連立を組むことになれば、左派的外交路線に傾斜するとみている。
左派外交の基本理念は日本が米国との軍事同盟に深くかかわれば、北朝鮮、中国と外交・軍事対立を招き、日本の安全を脅かすとの立場である。民主党の小沢前代表は、米国とも中国とも等距離の外交路線を主張している。
これは米国側からみれば、戦後続いてきた日米協調路線から転換する”アメリカ離れ”に映る。
ハーバード大学特別功労教授のナイ教授は、カーター政権下で国務次官補、クリントン政権下で国防次官補を勤め、民主党政権下で国際安全保障政策の実務もとっている。「ナイ・イニシアティヴ」と呼ばれる「東アジア戦略報告(EASR)」の策定も当たった。
また対日外交の基本方針となる「アーミテージ・レポート」の策定にもかかわった。このレポートはリチャード・アーミテージ氏らと超党派で作成した政策提言報告であって、米政権が共和党から民主党に代わっても米アジア政策の根幹は変わらない。基本理念は日米同盟を英米同盟のような緊密な関係へと変化させることにある。
折りしも韓国は李明博大統領が訪米しオバマ米大統領との会談で米韓関係の強化で一致している。盧武鉉政権下で疎遠となった米韓関係の再構築に成功している。李明博大統領は、ワシントン市内のジョージ・ワシントン大で演説し「韓国国民は北の脅しには屈しない」と言い切った。
米韓関係の好転に比べて、日本で盧武鉉的な左派政権が誕生すれば、米国のアジア政策はまた課題を抱えることになる。ナイ教授が「反米と受け止める」というきつい表現をしたのは、米国の懸念の現れといえる。
<訪米中の李明博韓国大統領は17日、ワシントン市内のジョージ・ワシントン大で演説し、「ソウルは南北を分かつ休戦線(軍事境界線)からわずか40マイル(約64キロ)しか離れていないが、韓国国民は北の脅しには屈しない」と述べ、北朝鮮の挑発的行動に譲歩しない考えを強調した。
李大統領は「どんな場合も韓(朝鮮)半島における核は容認できない」と指摘。一方で「核を放棄し和解と協力の場へ出てくれば韓国はもちろんすべての国が支援する」とし、追加制裁を決めた国連安全保障理事会決議もその目的だと語った。
「韓国の発展戦略」と題した演説で李大統領は「自由、平和、親環境」が21世紀の中心的価値となると説明。「経済と倫理が共存する時代」を目指し、地球温暖化への対策として「低炭素・グリーン成長」を国家目標としていると強調した。
李大統領は演説後、米国のキッシンジャー元国務長官やアーミテージ元国務副長官、朝鮮半島問題の専門家らとの昼食会に出席後、帰国する。(共同)>
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