チャイワン(中国+台湾)などとからかわれる台湾。馬政権は中国武器産業企業の台湾工作目的の投資を禁止できるのか。
つい昨年までビジネス情報界で流行した新造語は「CHAINDIA、チャインディア」だった。
印度と中国の興隆が世界経済をダイナミックに変えるという楽観的見通しから来ていて、実際に同題名の本がベストセラー入りしていた。
CHAIWANも、チャイナと台湾を足して二で割って造語。しかし、台湾では誰も口にしないので、これはひょっとして日本のジャーナリズムだけに通用する造語かも。
さて不況入りした台湾経済は未曾有の失業者をだして、日々、馬英九政権を困惑させているが、打開を図る一環として大陸からの観光客歓迎、人民元通用という画期的政策に加え、大陸からの資本投資を許可する方向にある。
てんで話は逆さまである。台湾企業が六万社、大陸に投資した金額は公式統計でも2000億ドルを突破している。現実には5000億ドルとも言われる。
今度は中国大陸からも、台湾へ投資して貰いましょう、と路線変更。馬政権は『大陸地区人民来台湾投資許可辨法』をすでに制定している。
最大野党の民進党は、このなかにある第六条『防衛条項』を問題化し、「もし中国の軍系列企業138社が、国策を秘めて台湾へ投資した場合、どういう対応がとれるのか」として、下記の軍企業の投資は完全に禁止せよと要求している(自由時報、6月12日号)。
中国核工業集団公司
中国核工業建設集団
中国航天科学技術集団
中国航天科工業集団公司
中国航天工業集団
中国船舶工業集団
中国船舶重工業集団公司
中国兵器工業集団
中国兵器装備集団公司
日本でもラオックスがすでに中国資本参加にはいった。
水資源の森林地域が中国資本の買い占めの対象となっている。不動産のまとめ買い、とくにベイエリアではマンションの五十、六十戸を中国系資本が「まとめ買い」している。現実に池袋北口など、全国各地にはニュー・チャイナタウンの出現。
日本のなかで、とくに先端技術をもっている、中小零細企業がつぎつぎと狙われるわけだが、スパイ防止法もない日本に抜本的対策はあるのか?
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(読者の声1) 貴誌は国際ニュース専門なので、それはそれとして極めて有益ですし、とくに発想の大胆さが、参考になります。日本人離れした着想には常に注目しております。
ところが国内政局へのコメントが貴誌からは殆ど聞かれません。いつぞや国内の二流の政治家のことなど興味がないという、これまた大胆なコメントがでていましたが、そういう場合でもないでしょう。いったい民主党政権ができたらどうなるのですか。
そのまま東が「総裁候補なら」、自民党から出馬とか。小渕優子までが、ふざけるなと怒っています。いったい宮崎さんは政局展望をどのようにご覧になっていますか?(KY生、長野県)
(宮崎正弘のコメント)旧「経世会」の怨念が噴出し、火山のマグマのようですか。小沢のやっていることは民主党の地盤である旧総評、日教組、解放同盟などをまわって左翼的な政策妥協を続けながら(だから媚中派、教科書で左翼と妥協、反米姿勢の堅持)、ともかく経世会の勢力を党内に扶植する。小泉チルドレンの裏返しが次の選挙でおきるのではありませんか。
むろん、なかには防衛論議でしっかりした考えの旧民社党系の議員も民主党には健在なれど、総体としての左翼政党「民主党」が主軸の連立政権は好ましいことではないでしょう。反米姿勢は、アメリカがもっとも警戒しています。
そのまんま東・宮崎県知事の動静? 興味ありませんが、しかし彼が「万一」という場合、すくなくとも鳩山とかオカダとかマスゾエとかよりは庶民のこころを掴む政治技術はマシじゃないですか。
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3553 チャイワン(中国+台湾)は日本の造語 宮崎正弘

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