3556 韓国軍が”積極防御”を打ち出す 古沢襄

為政者に共通する手法だが、支持率の低下傾向にある韓国の李明博政権は、北朝鮮をめぐる事態急変に備えて、武器システムの導入など軍備の強化策「国防改革基本計画(国防改革2020)」の修正案を発表、国内の引き締めに転じている。朝鮮日報が伝えた。
この中には戦時に北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルが発射される兆候を捕捉した場合には、発射基地を精密攻撃し、可能な限り北朝鮮地域内で無力化する”積極防御”の概念を含んでいる。ありていに言えば、先制攻撃も辞さないということであろう。
朝鮮半島の情勢はただなぬものを感じる。
<政権崩壊など北朝鮮をめぐる事態が急変した場合の北朝鮮内部の安定化(治安維持)作戦などに備え、各種装備の導入が進められる。導入される装備は、地雷および即席爆発物(IED)防護車両、タイヤによって走る装輪装甲車など。
韓国軍が北朝鮮の事態急変に備えた武器システムの導入を本格的に進めるのは初めてで、北朝鮮の事態急変に備えた「概念計画5029(CONPLAN5029)」を具体的な作戦計画レベルで裏付ける、というところに意味がある。
また北朝鮮の核および弾道ミサイルの脅威に備え、2020年までにイージス艦搭載のSM6迎撃ミサイル、パトリオットPAC3級以上の地上配備迎撃ミサイルなど迎撃用兵器と、北朝鮮全域を攻撃できる精密打撃兵器も導入される。
李相熹(イ・サンヒ)国防長官と金泰栄(キム・テヨン)合同参謀本部議長は26日、こうした内容を骨子とする「国防改革基本計画(国防改革2020)」修正案について李明博(イ・ミョンバク)大統領の裁可を得た後、公式に発表した。同案は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の05年に作られた「国防改革基本計画」を、最近の北朝鮮による核・ミサイルでの威嚇など、安全保障上の状況変化と困難な経済状況に伴う予算圧迫などを考慮して修正したもの。
修正案は、戦時に北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルが発射される兆候を捕捉した場合には、発射基地を精密攻撃し可能な限り北朝鮮地域内で無力化する、という積極防御の概念を含んでいる。また、韓国軍の国際的役割の拡大のため、陸軍特殊戦司令部の隷下に約3000人規模の海外派兵常備部隊を編成するようにした。
国家安全保障上の危機要素として急浮上したサイバー攻撃に対応するため、来年中にサイバー戦司令部「情報保護司令部」も創設する。
2020年までの国防費は総額621兆ウォン(現在のレートで約46兆円、以下同)から599兆ウォン(約44兆円)へと22兆ウォン(1兆6000億円)減額され、国防費の増加率は年平均8%から7.6%水準に下がった。(朝鮮日報)>
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