3561 焦点は都議選後の解散か、その前か 古沢襄

「都議選後に解散、与党内に見方広がる」(朝日新聞)「”解散はサミット前後、首相が二者択一か”…自民・大島氏」(読売新聞)「細田氏、内閣改造・人事”総理は白紙”}(TBS)「首相一転、消極的に 党役員人事」(中日新聞)・・・ネットでざっと見ただけでも、マスコミの予測は割れている。
焦点は麻生首相が解散・総選挙を「7月21日公示8月2日投開票」か「7月28日公示8月9日投開票」で押し切れるか、それが出来ずにお盆後の8月30日や9月6日まで総選挙を先延ばしせざるを得なくなるかに絞られている。先き延ばしすれば、総裁選前倒しによる「麻生降ろし」が加速する。
その判断、予測によってマスコミの見出しが微妙に違ってくる。そんな中で産経新聞が微妙な政局模様を上手に絵解きしている。まだ、何も決まっていない。この数日間が麻生首相の生き残りを賭けた勝負時になる。
<内閣支持率に回復の兆しが見えない中、8月上旬の衆院選に向け、麻生太郎首相は大きく舵を切った。天皇陛下が7月3~17日にカナダ・ハワイに訪問されるため、衆院解散のタイミングは7月2日か、17日以降の二者択一となる。加えて求心力アップを狙って内閣改造・自民党役員人事を断行するならば、今週中がヤマ場となる。窮屈な日程をにらみながら、首相はどのような筋書きを描いているのか。  (石橋文登)
「青森の『ねぶた祭』(8月2~7日)、仙台の『七夕まつり』(8月6~8日)、秋田の『竿灯まつり』(8月3~6日)…。東北の夏祭りは8月に入ってずっと続く。そのお祭りに私たちのお祭りを重ねてやらねばならないのではないか。7月8~10日の主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)に行く前に解散するか。帰ってから解散するか。首相の決断はその二者択一ではないか」
首相の腹心である自民党の大島理森国対委員長は28日夕、地元・青森県八戸市で講演し、自信たっぷりにこう言った。大島説に従えば、衆院選は「7月21日公示8月2日投開票」か「7月28日公示8月9日投開票」となる。
首相は27日夜に自民党の細田博之幹事長と会談した際、「おれは具体的に何も話してないのに外野が勝手に話を作り上げている」と不快感を示したが、26日昼の太田昭宏公明党代表との会談では8月上旬の衆院選をほのめかした。8月2日か9日の衆院選を想定しているのは間違いない。
8月10~20日はお盆と重なり、選挙活動が困難な上、お盆後の8月30日や9月6日まで衆院選を引き延ばせば、総裁選前倒しによる「麻生降ろし」が加速しかねない。首相を支持する勢力がお盆前の衆院選にこだわる理由はここにある。
公明党はかねて9月10日の任期満了近くの衆院選を望んできたが、麻生降ろしにより自民党が混乱すれば共倒れしかねない。ある公明党幹部は「うちの支持者も疲れ切っている。お盆前に終わるのも1つの手だ」と容認する姿勢に転じた。
ただ、衆院解散は天皇陛下の国事行為なのでカナダ・ハワイご訪問中の解散は難しい。解散から公示まで最低1週間を要するため、天皇陛下がご出発前日の7月2日に解散すれば、8月2日、9日のいずれも可能。天皇陛下がご帰国後の17日以降の解散ならば8月9日の衆院選となる。それを大島氏は、「サミット前後」という言い方でごまかしたのだ。
では解散は7月2日、17日以降のどちらなのか。
7月2日解散ならば麻生降ろしを封じることができる上、解散の勢いで7月12日投開票の東京都議選も有利に運べるが、北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能とする特別措置法案などの重要法案が廃案となり、「自己保身」との批判は免れない。一方、7月17日以降の解散は、7月5日投開票の静岡県知事選、都議選に連敗し、麻生降ろしが一気に進むリスクがある。
これを見越したかのように公明党の北側一雄幹事長は28日のNHK番組で「われわれは首相をしっかり支えるつもりだが、自民党の一部にいろんな発言があるがいかがなものか」と述べ、麻生降ろしの動きを牽制した。ある公明党幹部は「麻生降ろしを言っている人は支援しないことだってあり得る」と明言する。
一方、いつ解散するにせよ、首相の求心力を増すには内閣改造・自民党役員人事は不可欠との見方が強い。閣僚の認証も天皇陛下の国事行為の一つであり、不在中は困難となるため、内閣改造を行うならば、7月2日がリミットとなる。首相の決断を与党幹部はかたずをのんで見守っている。(産経)>
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